クリーン・エナジー・サービス株式会社 2017

アブストラクト

クリーン・エナジー・サービス株式会社は、1995年、総合物産株式会社100%子会社として設立された。液化天然ガス(Liquefied Natural Gas = LNG)輸入代行の専門集団としてのブランドを築き上げてきた歴史がある。設立当初に締結された長期大型契約は安定した売上を提供し、その間にクリーン・エナジー・サービスは優秀な人材の確保を進めることが出来た。親会社の存在は、顧客に信用を与え、社員には安心と自信を与えた。2011年に発生した東日本大震災以降は、日本の電力供給のためにLNG輸入量が増加し、その恩恵を受けてきた。一方、会社設立当初から20年が過ぎた2017年、クリーン・エナジー・サービスを取巻く環境は大きく変わってきている。同業他社の参入や顧客である電力ガス会社のコスト削減対策により、業界全体の競争は激しさを増している。長期大型契約は、クリーン・エナジー・サービスに安定した売上を与える一方、社員をぬるま湯に浸からせていた。そして、2020年、長期大型契約は契約期間の終わりを迎える。親会社総合物産の存在は、クリーン・エナジー・サービスの社員に安心と自信を与えると同時に、危機感と挑戦心を縮小させてきた。このような環境のなかで、管理職である東山はどのような行動を選択するべきか。過渡期である外部環境と、保守的な内部環境の間で、マネジメントとリーダーシップの違いを考察していく。

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