髙木晴夫教授による「Organization Behavior & Leadership(オンラインでの対面遠隔授業)」が開講され、東京校EMBAコースを中心とする94名の受講生による白熱したディスカッションが繰り広げられていました。
21世紀は多様化の時代です。組織も、そこで求められるリーダーシップも、多様化の要請に応えねばならなりません。様々な環境において、様々な組織が様々なメンバー構成で活動しています。そのためのリーダーシップはどのようであるべきか。しかも多様化を生き残る重要な要素はイノベーションです。イノベーションを担う人々こそリーダーシップを体現せねばならない事は明らかです。このコースでは、このような役割を担う人々にリーダーシップを学ぶ場を提供しています。
2018年7月7日、株式会社イムラ封筒(以下 イムラ封筒)は創業100周年の記念式典を開催し、井村社長は列席者と歓談しながら自社の未来について考えを巡らせていました。通信手段は手紙からメールへとの外部環境の変化により、封筒の製造販売業を営むイムラ封筒も変革が必要となりました。創業100年の老舗企業であり、業界をリードするリーダー企業でもあるイムラ封筒にとって、組織変革は避けて通れない道ですが、容易ではありません。ファミリービジネスにおけるオーナー社長にとって、自社の変革期に求められるリーダーシップとはどのようなものが相応しいのでしょうか。
本授業はEMBAコースの一授業ですから、受講生の大多数はリーダーあるいは管理職経験を有しています。ゆえに、様々な制約があること、解決すべき課題が多数あること、リーダーとしての舵取りを間違えれば企業の存続に関わる深刻な危機を迎えることは、それぞれの受講生の実務経験の中からも理解・分析でき、いくら時間があっても足りないくらい活発なディスカッションが繰り広げられていきます。
すると、髙木晴夫教授は「変革における解凍の重要性」を様々な事例や研究論文を用いて受講生に提示され、変化を必要とする組織にとって、どのような”解凍”方法が最も効果的な変革を呼び起こすことができるのか、その事に今一度着目し、「職務の専門性」や「経済性」など種々多様な軸を用いて深く考えるよう受講生に促されました。それに応えるかのように受講生は、「解凍のイニシアティブを発揮できるキーパーソンは誰か?」など、”解凍”の方法・期間・タイミング等についてディスカッションを行い、その結果、”解凍”の成否こそが変革の成否である事を学んでいきました。
そして、授業の最後に髙木晴夫教授から
「変革への投石。1つ投げられるか。連続して投げられるか。自分ならどうやるか。」
という問いが投げかけられ、受講生はリーダーとしての自覚を改めて感じていたようでした。