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MSc in Taxation

《税理士養成課程》Corporate Valuation and Management 辻正雄教授

#税理士試験免除 #税理士養成 #会計ファイナンス研究科

東京で開講された、税理士や会計専門職を目指す方のための税理士養成課程から辻正雄教授による「Corporate Valuation and Management」の授業をご紹介します。

Corporate Valuation and Management

 この授業は、企業価値と経営管理について実践的な理解を深めるとともに、経営戦略が企業価値創造にどのように関わるかをケーススタディーから学ぶことを目的としています。英米の企業においては、経営者の目的は株主価値の最大化であるとする考え方が主流になっている一方で、日本の企業では、株主価値のみならず他のステークホルダーの価値を尊重する立場がとられています。果たして、株主価値の最大化は株主以外のステークホルダーの利益を損なうのでしょうか。
 この授業のラーニングゴールは、企業価値の向上を目指す経営者を支援する管理者あるいはコンサルタントとして、経済への深い理解の上に適切なビジョンを掲げて企業価値創造のフレームワークをつくり、本源的な企業価値の創造を可能にする意思決定と業績管理の仕組みを構築するために必要となる能力を付けることです。企業で実際に起きた経営事例等を受講生が自らの視点で追体験することを通じて、課題解決力・課題発見力を培う教育手法を用います。

講義3日目の様子


 この授業では4日間を通じて計11のケースを使用します。授業3日目の午後はタイムのエンターテイメント産業への参入に関するケースを使用しました。
 タイムは1924年に創設され、出版業を中心に成長した企業です。1970年代後半〜1980年代に買収による多角化を行いました。まず辻先生がタイムの損益計算書を読んで気づいた点を受講生に問いかけました。受講生が積極的に発言をし、「稼ぎ頭の雑誌部門が利益を生み、その利益をケーブルテレビ事業に投資するという事業構造である」という合意に至りました。辻先生はその後も受講生に話を振りながら講義を進め、タイム・ワーナー・パラマウントの貸借対照表と財務情報を読んで三社を比較するとどんな事が分かるかや、タイムの垂直統合の是非、タイムがワーナーを合併相手に選んだのはなぜかといった討論を行いました。パラマウントは、タイムに全発行済株式を60%のプレミアムを乗せた一株当たり175ドルで取得する敵対的株式公開買い付けを提案しましたが、それはなぜか、妥当なのかという討論では、受講生の様々な意見が飛び交いました。それぞれ主張は異なるものの、なぜそう思うのか、根拠となる理由をしっかり主張しており、白熱した議論となりました。