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フィールド・スタディとは、従来の大学教育が取り組んできた「知識習得型」の学修と補完関係にある学修手法と考えられています。知る能力（Knowing）と行動（Doing）する能力の両者が別物であることに着目して、徹底的に議論するのではなく、徹底的に観察する手法が採用されています。この行動観察の手法はそもそも、文化人類学や社会学、心理学で使われる研究手法の1つで、対象となる未知の部族や民族の「文化」における特徴や日常的な行動様式を、言語に頼らずに詳細に記述する方法として活用されてきました。しかしながら今日では、民族の文化理解に留まらず、ビジネスシーンに採用し、生活者の一層の理解に役立てようとする取り組みが活発となっています。
例えば、AppleやGoogleのようなイノベーション企業では当然のように消費者の行動観察が行われ、大阪ガスの研究所やIDEOといった国内外の先進的な企業でも、消費者の行動を徹底的に観察することで、ユーザー自身も言葉にできないニーズの発見が可能となっています。最先端のビジネススクールでは、統計的なアンケート調査分析手法よりも、現場（フィールド）での「観察力」を研ぎ澄ますためのトレーニングが始められていますので、ケース・メソッドに匹敵する教育手法として確立される日も近いでしょう。
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