先日、名古屋の丸の内タワーにて、ジャパン・ビジネスモデル・コンペティションの東海北陸ラウンドのキックオフセミナーを実施しました。熱心な学生たちが集まり、お互いのアイデアに対して積極的な議論を行いました。

ビジネスモデル・コンペティションは、ビジネスプラン・コンテストと名前はよく似ていますが、評価基準がずいぶん異なります。ビジネスプランでは、プランの優劣が決まりますが、そのプランの多くはあくまで「計画」に過ぎません。いくら精緻な収益予測を組み立てたとしても、実際に販売してみなければどれくらい売れるかわかりません。特にそれが新規事業であれば、予測するためのデータである過去の実績もありません。「机上の空論」で終わってしまうことも少なくないのです。

そうした反省から、ビジネスモデル・コンペティションでは、計画の優劣ではなく、ビジネスモデルがどれだけ検証されているのかで優劣で競い合います。たとえば、価格ひとつとっても、それが妥当な価格なのかが問われるわけです。

たとえば、2013年のインターナショナル・ビジネスモデル・コンペティションで優勝したベイビーモニターのOwletは、機器の販売価格200ドルが妥当なのかどうかを検証するために、アンケート調査だけでなくウェブ上でのA/Bテストまで行って検証しています。プランにとどまるのではなく、実際に消費者が手に取るかどうかまで検証するわけです。

Olwetの2013年のプレゼンテーション

そして今、このOwletは、次世代のユニコーン企業として注目を集めるまでに成長しています。

3年後のザッカーバーグ？ 「次世代のユニコーン」スタートアップ20社

MBAもまた、きれいな計画を作り上げるのではなく、泥臭くても実践し事業可能性を実証していける人材を育成するよう、そのパラダイムを転換しようとしています。そうしたなか、このビジネスモデル・コンペティションという実践の機会は、授業に負けず劣らず、成長のための重要な学びの場となっているのです。