今回は海外でMBAプログラムの運営に関わっている先生方とお話して気がついたポイント、題して「ここが変だよ日本のMBA」をとりあげていきたいと思います。まず始めにお断りしておきますが、変わっていることが良い/悪いという趣旨ではなく、素朴な比較論としてお考え下さい。それではまず始めに国内MBAの実態で変わっているのが・・
なぜか東京大学にMBAがない
オックスフォード、ケンブリッジ、ハーバード、スタンフォードなどその地域を代表する大学にはMBAプログラムが存在するのに、なぜ日本の最高学府としての東京大学はMBAを提供していないのか?これは海外ビジネススクールの先生方からよく聞かれるのですが、その真意は正直私にもわかりません。間違いないのは、東京大学の経済学研究科にはマネジメント専攻が存在し、著名な経営学者が在籍しているという事実。実務家に対する教育活動よりも学術的な研究活動や研究者育成の拠点形成に専念するという判断なのかもしれません。もしくは、準備中?(汗)
会社に内緒でMBAに参加する社会人
国内MBAプログラムの多くは、仕事をしながら通うことが出来るよう、夜間や週末の時間帯を利用した講義(パートタイムMBA)が主流です。一方で欧米のMBAでは平日の昼間に実施されるフルタイムMBAが主流です。したがって、参加者は仕事を中断してキャンパス内の学生寮に住み込み、1-2年間MBA取得に専念する事になります。その背景にはMBAという社会人の学びが日本企業の中で(特に経営者や企業の人事の方に)まだ定着/理解されていないという課題がありそうです。社会人の皆様に胸を張って学んで頂けるよう、ビジネススクールとしてまだまだ頑張る必要がありそうです。最後に、国内MBAが変わっている点は・・
アクセスの良い駅前に多いMBA
忙しい日本人にとってアクセスが重要だというのはよく理解しているつもりですし、それ自体が良いとか悪いとかではありません。ただ欧米のビジネススクールには結構「すごい」場所に構えていたりします。山の上の塀に囲まれたアフリカの大学や、郊外の城をそのまま利用したイギリスのビジネススクール(城内にはまだ未発見の隠し扉があるとかないとか)。そしてまさかの立地の代表格がパリのIESEGビジネススクール。何とあの「新凱旋門(グランダルシュ)」の地下にあります。嘘じゃないですよ、私もこの目で確認しました。新凱旋門に到着したら上に登るエレベータではなく、地下に降りる階段を探してみて下さい。あら不思議、そこにはビジネススクールへの入り口があるのです(まさに秘密結社)。近くに寄られた際には是非!