MBA経歴詐称問題

この数日話題になっているテレビコメンテータによる学歴詐称問題ですが、ご本人の説明によると「ハーバードMBAは、三日間の訪問プログラムが全てでした」ということですが、これはビジネススクールが社会人を対象に提供しているExecutive Educationへの参加を指していると思われます。

何が良くなかったのか？という素朴な疑問ですが、MBAのような1-2年間にわたって履修する体系的なプログラムと、特定のテーマにフォーカスした数日間のプログラムへの参加（入学ではないので、多くの場合は試験不要）をMBA（修士）と表現した事が良くなかったわけです。ちなみに、こうした短期プログラムへの参加の場合には、履歴書には経歴として「Harvard Business School, Exeutive Education 2016（修了）」と記載すれば何の問題もありません。

とはいえ彼が受講したであろうプログラムは、実際のMBAを指導している教員が担当し、そこで使用した教材もMBAの受講生が使っているケースであり、教室もMBAの教育が行なわれている場所で、MBAさながらの白熱した講義であったに違いありません。MBAという学位に関して、きちんと正確な理解をしていないと、誰でも勘違いしてうっかりMBAと記載してしまう恐れのあるミスなので、他人事ではありません。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。

MBAとは

MBA経歴詐称問題

タグが共通している記事

教員別で探す

よく読まれている記事