AppleがF1から得るもの

AppleがF1チームの名門であるマクラーレン買収に動いているのでは？という報道があります。この話が実現するかは定かではありませんが、そもそもAppleはF1から一体何を得たいのか？という素朴な疑問が残ります。

F1のレース現場は他の自動車レースと比較すると、そこは異次元の世界。サーキットを時速300kmで走行するマシンには、ライブカメラ以外に「動くか温度が変化するものなら何でも測定する」200ものセンサーを搭載し、集められたテレメトリデータはピットを経由してリアルタイムに地球の裏側のチーム本拠地でモニタリングされ、刻一刻と変化する気象データとあわせてレース戦略を組み立てているのです。

今回話題となっているマクラーレンに限らず、F1チームが得意とするデータ収集・解析・活用技術は、いわば「データビジネス」であり、既に空港管制システムや製薬品開発など、自動車以外の業種からも熱い視線を浴びています。Appleは次の飛躍に向けて一体F1テクノロジーから何を手にするのでしょうか....楽しみです。

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。

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