アブストラクト

トヨタ自動車は日本最大の自動車メーカーであるとともに、日本最大の企業である。トヨタ自動車といえばトヨタ生産方式やジャストインタイム（ＪＩＴ）といった、優れた生産・経営ノウハウを確立しており、製造業を問わず、あらゆる企業から注目を受け、お手本とされている企業である。こういった高い経営管理システムを用いて、２００８年にはゼネラルモーターズ（ＧＭ）を追い抜き自動車販台数が世界１位になったことは記憶に新しい。しかし、ガソリン価格の高騰やサブプライム問題に端を発する世界金融危機以降、いままで右肩上がりだった自動車販売台数は減少してしまった。本ケースは、世界的金融危機以降、国内自動車市場が縮小してしまった状況の中で、トヨタ自動車がどのような販売戦略をとってきたのか、また、これからどのような販売戦略をとるべきなのか、という販売戦略の方向性を探るケースである。本ケースでは、日本国内における自動車市場の縮小、トヨタ自動車の自動車販売戦略、そして、近未来に向けての自動車販売戦略などを取り上げる。ケースの主人公は縮小が加速する国内自動車市場における、トヨタ自動車の動向に関する考察を行い、その動向を比較、検討し、今後の自動車メーカーが取るべき販売戦略を模索する。

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