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三光鋼材 2005 & 三光鋼材 2011

#汎用品ビジネス #ロジスティクス #投資の意思決定

アブストラクト

ケースは2部構成とする。三光鋼材はステンレスパイプをメインに扱う、関西に本社を持つ中小の独立系鋼材卸である。三光鋼材が属する鉄鋼業界は、かつては「傾斜生産方式」の元、「鉄は国家なり」という考え方で急成長を成し遂げたが2000年以降巨大な海外メーカーの誕生や資源メジャーの台頭、国内メーカーの供給過剰により、業界全体の再編が加速されていった。またデフレ経済の中、効率化とコストダウンを求める顧客からは着荷時間の指定や多頻度&小口配送の要望が増える一方であった。一方、卸業である三光鋼材と密接に関連する物流業界において、規制緩和による過当競争が激化したことにより、自社物流を持たない中小企業にとっては、安定的なデリバリー網の確保が困難になってきていた。再編が進む鉄鋼業界の中で、中小の独立卸である三光鋼材が生き残るためには、販売量を確保することによってメーカーからの仕入量を確保し、存在意義をアピールしていくしかない。そのような状況の中、三光鋼材はシェア確保のために、本格的な関東方面への進出を行うこととし、関東に新倉庫を開設するべきか、デリバリー網を再構築し、関西からの一極配送による関東エリアの顧客の要望に対応すべきかの投資の意思決定を行うことになった。営業部を主体とした趨勢が、新倉庫開設に流れていく中で意思決定のための資料作成を依頼された主人公がとった行動は、デリバリー網再構築案に有利になるよう資料を作り変えることであった。ここまでの流れをケースの第1部(三光鋼材 2005年)で述べていく。なお、本ケースは以下のプロットで構成されている。「三光鋼材 2005年」①中小卸で産業材であるステンレスパイプを扱う三光鋼材の説明と今までの経緯②マクロ的な鉄鋼業界全般の動きについて(ミタルの台頭、JFEの誕生、資源メジャーのプレゼンス増加)③鉄鋼というコモディティー化が進みPLCでは衰退期を迎えている商品が未だ持って大きな市場である理由について④ステンレスの製品特性とそれを使用する最終需要家の業界について⑤鋼材卸業を分類する2つの軸「店売り」と「紐付き」、「仲間商売」と「ユーザー商売」についての説明と三光鋼材のポジショニングおよび差別化戦略について⑥三光鋼材の競合先について⑦外部環境としてのロジスティックス業界の動向について⑧三光鋼材の配送形態とその課題について⑨三光鋼材の関東エリアへの本格的な進出に伴い、考えられた新倉庫開設案とデリバリー網再構築案について⑩三光鋼材の投資の意思決定プロセスと主人公の葛藤について「三光鋼材 2011年」①三光鋼材の選択した投資の意思決定とその結果②鉄鋼業界の大きな動きについて(鉄鋼バブル、ニッケルの高騰、ミルシート偽装問題)③リーマンショック以降の景気後退と三光鋼材の弱点の露呈④多頻度&小口配送に関する検証⑤新日鉄と住金の経営統合発表が意味するものと今後の三光鋼材の課題第2部(三光鋼材 2011年)では、その後の三光鋼材の取った選択と、三光鋼材を取り巻く環境の変化について述べていく。また、多頻度&小口配送の背景について、三光鋼材の顧客である3社を例に考察を進めていく。

詳細情報

ケースID 11-1032
登録 2011
業界 鉄鋼製品卸売業
分析領域 アカウンティング
ページ数 39
言語 Japanese
ティーチングノート あり