アブストラクト
A電機のBMS事業は、ビル管理システム、ビルセキュリティシステムを中核にして、ビルマネジメントのソリューションを提供するビジネスである。田富BMS技術部長(主人公)と上井BMS営業部長は共に事業の成功を誓い合った仲であったが、マンションセキュリティシステムの品質・納期問題(1998年12月、詳細はケース3章)、首都圏大規模プロジェクトの損益問題(詳細はケース4章)と次々と引き起こされる問題により、上井営業部長との確執が広がった。このように、営業部門と工場部門は度々QCD問題で衝突して、ジレンマ(葛藤)に悩まされながらも、BMS事業を営んできた。2001年4月、突然、BMS事業の再構築についての提案が営業部門から工場部門にあった。その提案とは、B-SEとA-SEの機能を工場部門から営業部門にシフトした体制にして、事業規模の拡大を図りたいというものであった。ところが、両部門の立場の違いから、上井営業部長と田富の主張が正面からぶつかりあった。その結果、半年間にわたる内部抗争となり、大きな組織エネルギーの損失と時間の浪費を招いた。2001年10月、腰の重かった事業本部もようやく動き出し、B-SEとA-SEの全てのSEを工場部門から営業部門に移すことで決着になった。事業本部会議では、営業部門の主張が受け入れられ、工場部門の主張はほとんど受け入れられなかったことになる。本ケースでは、営業と工場の両部門のコンフリクト(対立)を通して、BMS事業経営に対する両者のジレンマ(葛藤)や苦悩を描く。
詳細情報
ケースID | 14-1109 |
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登録 | 2014 |
業界 | ソフトウェア業 |
分析領域 | 総合経営 |
ページ数 | 20 |
言語 | Japanese |
ティーチングノート | あり |