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Midea Group 2016

#M&A #グローバル展開 #中国企業経営


アブストラクト

Midea Groupは1968年中国広省佛山市東順徳区で何享健氏より創業した民間企業である。創業当初は薬用ガラス瓶とプラスチック製蓋、自動車のブレーキバルブ、ディーゼルエンジンの製造をしていたが、1980年から家電業界へ進入し、扇風機の製造を始めた。1981年には中国家電業界で「美的」商標を登録し、企業のブランドとして使用した。1993年深圳証券取引所に上場した後、外資系の家電メーカー(東芝、三洋電機、キヤリア等)と連携し、OEMまたはODMを展開しながら、自社製品の多様化を推進した。現在、グループ全体で15万人従業員がおり、中国国内で16か所の生産拠点を立ち上げ、10ブランドを保有している。1999年には中国で有名な商標に選ばれた。その後、海外進出を始めた。2007年に初めてベトナムで生産拠点を立ち上げ、その後ロシア、エジプト、ブラジル、アルゼンチン、インドに続々生産拠点を立ち上げた。2012年8月27日、何享健氏は会長を退任し、方洪波氏がMidea Group会長に就任した。2016年白物家電の市場シェアで世界2位となった。トップシェアは中国のハイアールであった。2016年3月30日、Midea Group側は東芝と合意し、6月30日に東芝の白物家電事業買収をした。2016年6月24日に、Midea Groupはイタリアのセントラル空調メーカーClivet S.P.Aを買収すると発表し、同社の株式80%を取得することになった。2016年8月3日に、Midea Groupはロボット世界大手のクーカの株を94.55%取得し、買収を完了した。Midea Group成長の歩みを見ると、世界の家電市場のトップ位置を占め、急成長の重要手段はM&Aであった。通常、企業の拡大あるいは競争力強化のため、所在国においても国際的にもM&Aは活発に行われている。特に、美的創立者何享健氏の後任者である方洪波氏は、就任から海外のM&A活動を積極的に推進してきた。一般的に、企業が目指す成長とは、新規市場の獲得・新製品の開発・事業の多角化であり、また競争力の強化には、コストの削減と製品・サービスの差別化などがある。しかし、今回のM&Aに関して、CEO方洪波氏は伝統的な家電メーカーが国内市場からグローバル市場を狙うということだけではなく、Midea Group全体の経営形態の転換という目標を立ている。つまり、家電製造中心の業態からから先進科学技術中心の企業への転身を意味している。今回のM&A後、どのように買収した外国企業の価値を実現するか、また、今回のM&Aの成果をいかにしてMidea Group全体の成功へ生かしていくのかは、Midea Groupに対しても、CEO方洪波氏に対しても、考えなければいけない課題である。

詳細情報

ケースID 18-1045
登録 2018
業界 民生用電気機械器具製造業
分析領域 企業倫理
ページ数 28
言語 Japanese
ティーチングノート あり