がんゲノム医療連携病院 2021

アブストラクト

がんゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査によって多数のがん遺伝子変異を同時に調べ、個々の患者の遺伝子変異に基づいた治療を行う医療のことである。個々の患者に最適だと考えられる治療方法を提供できることから、高い効果を発揮することが期待される一方で、多くの医療リソースを使う検査である点や、遺伝子変異に対応した薬剤が見つかる確率が低位に留まっている点が、がんゲノム医療が直面する課題である。医療としての有用性と日本の国民皆保険制度との両立を鑑みた上で、がんゲノム医療制度をどのように変革していくことが、患者や社会のベネフィットを最大化できることにつながるのか考察する。

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