大槻奈那教授によるEMBA「Crisis Management and Leading Change」をご紹介します。
誰しもが将来何らかの金融危機や自然災害、「危機」に直面する可能性があります。この授業では、「危機」の本質を理解し、世界の経済危機の共通項や相違点、発生のメカニズムを検証して、いかに危機の予兆を察知して策を講じるか、また、事後にはどのような政策がとられ、個々の企業や金融機関はどのような戦略を取るべきなのかなど、過去の代表的な危機事例をもとに、ディスカッションを通じて企業価値向上のために必要な危機管理能力を習得します。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により世界の風景は一変しました。ウイルスの感染拡大は世界中の経済活動の停滞を引き起こし、雇用や就業に多大な影響を及ぼしています。本授業ではウイルス流行後の影響について、ミクロ・マクロ的視点で自分が想定できなかった最も大きな出来事は何か、またある程度事前に想定できていた出来事は何かについてディスカションを通して意見交換をし、今後考えられる影響を考察していきました。受講生の中には、「経済面での被害は想定内だったが、都市封鎖等までは想定できなかった。」など、コロナによる影響の大きさに対して、改めて驚きを隠せない様子の人もあり、一方で、感染拡大や自社への影響を防ぐために多くの企業でテレワークが導入され、今まで見過ごされていた長時間労働や都市部の満員電車の問題など、労働条件を少しでも改善するための動きも出てくるなど、コロナウイルスによる影響は悪いことばかりではない、という認識を新たにしています。リアルタイムで起こるクライシスから、受講生自らが議論の中から答えを導き出すことで、危機下での規制の重要性や効果的なコミュニケーションの方法、意思決定、リーダーシップのあり方についての学びを深めています。