2020年9月26日(土)から名古屋商科大学ビジネススクールでは秋学期が始まり、教職員・学生を初め、多くの関係者の協力で対面授業を再開させることができました。大阪校では換気・ソーシャルディスタンスを守り、ウイルス感染対策を徹底しながら、芳賀裕子教授による「Business Analysis」が開講されました。
環境変化のスピードが速い中、意思決定のためには様々な角度からの分析が必要となります。本授業では、企業が行う戦略上の意思決定について、受講生が意思決定者の立場となって検討します。大企業の提携、買収、多角化、ビジネスイノベーションなどのケースを用いて、業界分析、自社経営資源分析、競合分析など、ケース場面に必要な分析を行い、自分が経営者であればどのような行動をとるかを考え、議論していきます。経営戦略の理論とフレームワークを理解し、よりロジカルに、より深く、必要な情報分析を行う能力を養います。
授業初日は、アマゾンとウォルマートのケースを用いた業界分析から始まりました。ウォルマートはアメリカで小売業トップの座を獲得し続けていましたが、同社の強みである"Everyday Low Price"がかつてほど顧客の心に響かなくなっている状況にありました。そこで、ウォルマートのCEOであるマクミロンは、EC事業を強化し様々な施策を打ち続けますが、これまでのように成長し続けることはできません。一方で、アマゾンはオリジナリティ溢れる革新的なアイデアでEC事業を拡大し続け、2014年にアメリカでEC売上トップの座を獲得し、2015年には時価総額でウォルマートを上回ります。アマゾンが見据える先は何なのか、内部環境と外部環境の変化にどのように対応したのか、同じ小売業としてそれぞれ成功体験を持つ2つの企業について企業が置かれた競合状況を分析し、どのような意思決定をするべきかなど、受講生自身の実体験をもとにディスカッションが繰り広げられました。その後も、受講生たちから出された意見に対してさらに違う視点から芳賀裕子教授が問いかけ、これらの企業の将来の競合を分析し予測することで、受講生は戦略を検討するプロセスを理解していきました。