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税理士養成課程 × ベーシック・インカム《Tax Policy & the Economy》

#ビジネススクール #税理士 #財政政策 #税法 #会計 #原田泰

 東京、名古屋、大阪の3キャンパスの学生が名古屋キャンパスに一堂に会して受講する合同講義が2022年7月16日〜18日まで実施されました。会計ファイナンス研究科(Tax Accountant Program)で開講された、原田 泰教授による税理士養成課程「Tax Policy & the Economy」3日目の授業についてご紹介します。原田教授は東京大学農学部卒業、ハワイ大学経済学修士課程修了、学習院大学博士課程(経済学)取得。経済企画庁海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長、大和総研専務理事チーフエコノミスト、早稲田大学政治経済学術院教授、日本銀行政策委員会審議委員などを歴任。現在、名古屋商科大学ビジネススクールで教鞭をとり、『昭和恐慌の研究』(共著、日経・経済図書文化賞受賞)、『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)、『デフレと闘う』など多数の著書があります。

 名古屋商科大学ビジネススクールの税理士養成課程では、全講義においてケースメソッドを導入し、実務家教員による実践的な学びを提供、税務及び財務のプロフェッショナルとしてだけでなく、顧客の経営課題に的確なアドバイスができる高度専門職業会計人を輩出しています。


「Tax Policy & the Economy」


講義風景《Tax Policy & the Economy》原田 泰教授

本授業では、日本の税と政府支出を概観し、それぞれの問題点を理解し、日本経済を発展させるために、どのような行財政改革が必要かを考えます。ありきたりの議論ではなく、国際比較や経営上の常識に照らして、より深い問題意識を持つこと学びます。授業を通じて財政の意味を理解し、さらには政府の必要な支出と不必要な支出、政府の赤字と民間のそれとの違いを理解し、経済全体の状況判断も可能になることにより、本学の求めるリーダーとしての重要な資質を高めていきます。

政府支出についての新しいアイデア-ベーシック・インカム(BI)

日本の政府支出の大宗は社会保障費、社会保障について考えることが財政問題を考えることにつながり、政府支出の効率化については様々な議論があります。授業3日目は、社会保障における新しい考え方としてのベーシック・インカム(BI、基礎的所得)について議論しました。BIの基本的な考え方は、すべての人に最低限の健康で文化的な生活をするための所得を給付するということです。新型コロナウイルス感染症の蔓延によって「働いてはいけない」状況が発生し、コロナ危機は結果としてBIを正当化する事件となったのではないか、給付する理由とは一体何なのか、給付に伴う財政赤字はどう捉えるべきかについてクラス内で積極的な意見交換がなされました。果たしてBIは実現できるのか、「月7万円」という水準のBIを例にとり、人口から予算を算出し、代替財源の有無、生活保護制度や医療保険制度との関係など非常に意義深い授業が展開されていました。

単に「税」や「法」の専門知を有するだけにとどまらず、国家財政や政策・富の再分配といった視点でマクロに「税」を捉え、民間企業と政府の違いを考察することはビジネスの価値をより深く理解することへつながります。本学では税理士試験の勉強では得られない学びと実践力をケースメソッドによって修得し、経営者の戦略的パートナーとして末永く活躍できる税務のスペシャリストを養成しています。