一般的に1年目は、コア科目などを履修し、2年目は選択科目やプロジェクトを実施する期間に充てる事がありますが、近年は海外提携校での短期研修(スタディツアー)などを組み合わせたグローバル化が進んでいます。特にフランスでは在学期間中に欧州圏内で一定期間以上学修する事が求められる「エラスムス制度」や共通の就学システムとしての「ボローニャプログラム」とよばれる制度の普及が進んでおり、カリキュラムの見直しが日進月歩で行われています。伝統的なMBAカリキュラムは、チエ系(クリティカルシンキング)、ヒト系(HRM)、モノ系(マーケティング)、カネ系(ファイナンス・アカウンティング)、技術系(MOT)、統合系(経営戦略)の4つのモジュール(括弧内は代表的な科目)で実施される事が多く、近年は企業倫理を意識した科目やイノベーションを重視するモジュールの運営が、MBAの世界的なフォーラムで注目を受けるようになっています。
MBAカリキュラムの最新事情
国際認証を有するビジネススクールの講義の特長的な点として「企業倫理」に関する教育があげられます。というのも、昨今の金融危機はMBAホルダーによって引き起こされたと考えることができるためです。短期的思考、利益最大化思考、課題解決型思考といった言葉でMBAホルダを揶揄する事がありますが、それはあまりに高額な欧米MBAの授業料(年間500万円以上)という教育投資を回収するために、高収入が期待できる金融系企業への転職が相次ぎ、そこでMBA流の錬金術に走ったというストーリーが想定されてのことです。その反省を踏まえた、長期的思考、歴史的な視野、これらを踏まえたカリキュラム構成が、ここ10年間の国際認証機関での重要なテーマであり、この要素をカリキュラム上でクリアしていることが国際認証でも求められます。
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