映画「ティン・カップ」に見る意思決定論

「ゴルフはメンタルなスポーツです。」ゴルフ好きの人なら、誰でもこの言葉に共感するような体験をした記憶があるかも知れません。

「ティン･カップ」という愛称を持つ、プロゴルファーのロイ（ケビン・コスナー）はゴルフの素晴らしい才能を持っていた。学生のころは将来を嘱望されていたが、熱くなると冷静な判断ができなくなり、リスクの高い賭けを望むその性格が災いして、現在は地位も財産も失い、田舎町でレッスンプロをしながらトレーラーハウスを住居にする落ちぶれた生活を送っていた。
そんな彼の前に現れた美人精神科医のモリー（レネ・ルッソ）に一目惚れしてしまったロイは、彼女を振り向かせ、恋敵のデヴィッド（ドン・ジョンソン）を打ち負かすために再びトーナメントに挑戦する。クライマックスは全米オープン最終日最終組最終ホール、グリーンを狙うも池ポチャしたロイは前進４打を選ばす、その場にドロップして再度グリーンを狙う。結果は・・・。

ビジネスにおける経営判断や意思決定には、その経営者の性格が反映します。実際にはその経営者の性格や過去の経験によって取る選択肢は変わってきます。リスクを取るのに慎重な人、すぐに結果を求める人、環境の変化に敏感な人、などなど。MBA教育も全ての人に同じものを提供するのではなく、それぞれの人の性格や経験によってカスタマイズするものも今後出てきても良いかもしれません。ひょっとするとAIの進化でそれが可能になる気がします。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…

Written by

加藤和彦

通信の自由化によって誕生したベンチャー企業のDDI(現在のKDDI)にて、新設事務所開設や国内営業企画等に従事の後、豪州現地法人のシニア・マネージャーを務め、その間、豪BOND大学でMBA、豪シドニー大学でMA in International Studiesを修了。帰国後、米国シリコンバレーIT企業であるサン・マイクロシステムズの競合戦略室（WarRoom）の日本担当責任者としてサーバーの競合戦略、シスコシステムズでIPベースの新規ソリューションの日本市場普及等、世界的IT企業の日本法人での役職を歴任。中京地区の医工連携・産学官連携のコーディネイトに従事の後、2016年より現職。早稲田大学大学院博士後期課程修了（博士(商学）早稲田大学）。専門は「経営戦略」「経営情報論」「国際経営戦略」「ベンチャービジネス論」等。IT企業のプラットフォーム競争戦略や産学官連携のベンチャー育成に関する講演・論文等多数。著書に「IoT時代のプラットフォーム競争戦略（中央経済社）」また研究成果の実務分野へのフィードバックとして東海地区の企業に新規事業のビジネスモデル構築や事業化支援を通じ助言をおこなっている。

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