ビジネススクールが国際認証を持っているということは、差別化にも大きく貢献しています。某国にありがちな、研究者でないインストラクターのような教員(指導員)によるパターン化されたシラバスを教える経営大学院や、学部の延長で「付け足し」的に大学院やビジネススクールを設置しているようなガラパゴスものとは一線を隔てることになるからです。こういった国際認証は、今回のドバイで参加したAMBA以外に、AACSBやEQUISがあります。それぞれの認証はそれぞれに研究や教育で高い基準を設けています。例えば、AACSBでは、『「博士号(Ph.D)を持ち、レフェリー付き査読論文を直近5年間に2本以上発表」している教員の割合が、全体の教員のXX%以上いなければならない』というような厳しい条件を設けています。この3つの国際認証を保有している大学はトリプルクラウン(3つの王冠)と呼ばれ、そのビジネススクールの研究・教育の質の高さを表しています。現在世界中のビジネススクールで、80校弱しかこのトリプルクラウンの大学院はありません(ちなみに日本はゼロ)。これら3つは、取得するのも大変なことですが、それを数年おきの更新時に維持していくのも相当な努力が求められます。それでも尚、世界を見渡せばビジネススクールが玉石混交に存在する環境において、研究・教育の『質』の担保を内外に向けて明示することは極めて重要なことなのです。
今回のドバイでのAMBAカンファレンスでは、英国の某有名大学のお誘いでネットワーキング時間にお見合いをしたり、中国の某総合大学とミーティングを持ちましたが、これら大学は共にトリプルクラウン(3つの王冠)のビジネススクールでした。
ちなみに、お見合いは、
・まずは、相手の大学院のすばらしさを賞賛し
・次に、自分の大学院の素晴らしい点をアピールし
・お互い、提携や交換留学制度など、どのような接点があるか話し合う
というような手順で進んでいきます。実際のお見合いと同じように、お互いのフィーリングも大切で、ちょっとドキドキするものです。
前述の中国の某大学とは、昨年11月に本学NUCBで開催されたAMBAのアジア・カンファレンス後、急速に親密になり、共同研究ならびにシルクロード・アントレプレナー・イニシアティヴを通じて提携関係を深めていくこととなりました。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…
よく読まれている記事
-
ケースメソッドの魅力
- #ハーバード
- #ケースメソッド
- #ケース
ケースメソッド《Case Method》とは1921年にハーバードビジネススクールで使用されたボストンの靴工場のケース『General Shoe Company』を起源とし、日本国内では「ハーバード白熱教室」で日本でも一躍有名になっ...
READ MORE
-
MBAの費用と価値
- #MBA
- #費用
- #価値
- #転職
国内でMBAを取得するための費用は年間100万円から300万円まで幅広く設定されており、誰もが安易にチャレンジできるものではありません。しかしながら、海外MBAの場合は地域的に大きな差があるため一概にはいえま...
READ MORE
-
MBA取得のメリット
- #MBA
- #メリット
今回は女性目線の疑問から「MBA取得のメリット」について考えてみたいと思います。何故ゆえ、突如として旦那/彼氏はMBA取得を目指すと言い出すのでしょうか?あんなに大好きなゴルフを諦めてまで、週末にビジネス...
READ MORE
-
MBAの難易度とは?《入学編》
- #MBA
- #難易度
- #試験
MBAの入学説明会で質問される内容は「MBAの難易度」です。MBAの難易度は「入学試験」と「単位取得」の困難さが考えられますので、今回は入学試験の難易度にフォーカスして説明いたします。まず、MBAの入学試験に...
READ MORE
-
日本国内MBAの特徴
- #MBA日本
- #MBA国内
日本国内でMBAを取得するメリットを考えてみましょう。日本でMBAを取得する上では開講形態が重要な要素となります。日本国内のMBAの現状は社会人が仕事とMBA取得の両立を目指すパートタイムMBAと、仕事を離れてMB...
READ MORE