MBAと聞くとキャリアアップのための教育投資と考えられがちですが、近年ではベンチャー経営者や将来起業を意識したベンチャー予備軍のMBA取得が世界的に増加しています。その背景としては、従来MBAホルダを大量に採用していた金融セクター(証券、銀行、保険)に加え、ITなどの新技術を活用したスタートアップ系企業がマネジメント能力を高めたMBAを幹部候補として採用している背景があります。実際、先日参加したAACSB国際会議やAMBAグローバルカンファレンスでも、いかにビジネススクールがアントレプレナー教育を促進していくかが話題となっていました。
AACSBではベスト20の起業支援センターと起業家支援プログラムの受賞セッションが行われ、起業に対するビジネススクールの姿勢の変化を最も感じました。AMBAでもESADEビジネススクールのアントレプレナーセンターの事例紹介が行われ、LearnとDoのバランスをいかに改善するかについての具体的な報告がなされており、ビジネススクール教育の世界的な流れの変化を感じました。
アントレプレナーセンター《起業支援》
こうした参加者の意識変化を敏感に感じ取り、世界のビジネススクールでは以下にリストアップしたように、在校生・修了生のスタートアップを支援するアントレプレナーセンターやインキュベーションセンターが発足しています。こうした起業支援センターの役割は、ビジネススクールのネットワークを最大限活用して「インキュベーション」的な役割を果たし、MBAの起業をサポートしています。起業の支援といってもさまざまで、シェアオフィスの提供から、ビジネススクール教員によるメンタリング、ビジネスコンペの企画、など様々ですが、重要なのはMBAで「Learn」したものを「Do」に移すまでの1-2年間をさらに支援することになります。
- Entrepreneurship, Commercialisation and Innovation Center
- The Entrepreneurship Alliance
- Innovation, Creativity and Entrepreneurship
- Entrepreneurship Avenue
- The Global Entrepreneurship Program
- Center for Entrepreneurial Leadership
- Entrepreneurship Institute
- Entrepreneurship & Innovation