さて、今日はMBAとMScという学位に関する解説を行いたいと思います。この違いを正確に表現できる人間は日本国内では国際認証担当者など相当限られています。まず両者の相違点の前に共通点は、大学院で授与する学位の「英語表記」であるという一点のみです。
まず、MBAは「Master of Business Administration」の略ですなわち経営管理に関する修士号を表現しているのに対し、MScは「Master of Science」の省略形でして、これでは何の領域の修士号なのか不明瞭なのでその後に「in 領域名」という形で専門領域が記されるのが通例です。したがって、MBAと同様の経営領域であれば、MSc in Management(略して「MiM」)が同一レベルでのMBAの比較対象となります。奇妙なのが「MBA」と呼びながら、実務経験を持たない志願者を受け入れているMBA。これは欧州系の価値観ではアウトです。MiMとしなければ通用しません。
以下に、MBAの派生系としてのEMBAも加えて相違点を比較しておきたいと思いますが、くれぐれもこれは比較のための極論で表現していますので、ビジネススクール毎の運営ポリシーによって当然ながら変化していきます点はご了承ください。欧米ビジネススクールでの常識と国内の常識との乖離、大きいですね。
EMBA | MBA | MiM | |
実務経験 | 必要 | 必要 | 不要 |
参加者 | 40代 | 30代 | 20代 |
教育手法 | 実践重視 | 多様 | 理論重視 |
修士論文 | なし | なし | あり |
卒業後 | 役職者 | 起業家 | 就職/博士 |
開講形式 | 週末 | 多様 | 平日 |