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MBAとは

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社長とは 〜良い社長〜

#ビジネススクール #教員 #社長

以前の稿で、「自分の魅力度をアップする」これがMBAの究極の目的。という話をしました。もう一つ究極の目的を付け加えます。

ハーバードビジネススクールの入学式で学長が「この学校の目的は社長を養成することだ。」と挨拶しました。その時は乱暴なこと言うな、と思ってたのですが、卒業間近になってこの言葉を思い出し、なるほどな、と思いました。マーケティングの講義はマーケティング部長の立場での議論。フィイナンスだったら財務部長の立場での議論。それを積み重ねて、かつ、そこでの学びを活用できる職業って、社長しかないんです。つまりMBAの究極の目的は「社長になること」です。その気付きがなかったら、筆者はなんとなくは社長になったかもしれませんが、自分の人生の目標として社長になるという目標は持ち得なかったと思います。その意味で、MBAは筆者の人生を変えました。

筆者は大学院で教え始めて4年になりますが、その前は33年間ビジネスマンでした。特に後半の15年位は、人生の目標通り、自分で起業したり、雇われたりで社長業を6社でやりました。
自分の経験の中での一番の財産は、多くの素晴らしい経営者に出会えたことです。そして自分も社長になったらこうなりたい、あるいは社長としてあるべきだと言うことをたくさん実物で学ばせてもらいました。しかし、筆者はもうすぐ62歳です。学ばせてもらった多く先輩経営者は既に鬼籍に入り、もう恩返しができないのです。それが今一番心残りです。返しきれない程の無限の恩を一方的にいただいていました。今の自分があるのも自分の努力以前に、それらの経営者が筆者を引き立て、支援してくれたからです。いつか恩返しがしたかったのです。今、筆者が大学院で教えている理由は、自分が一方的に受けた恩を、逆の立場で学生に少しでも還元したかったからです。それが、今筆者が教壇に立っている最大のモチベーションです。

良い社長とは


一方で、自分が社長としてやったことも、振り返って冷静に考えることができるようになりました。社長は重労働です。一心不乱に脇目も振らずに知力・体力・精神力を発揮しないと務まりません。なので、社長やっている時は自分をあまり客観的に見る余裕がありませんでした。自分ができなかったことも含めて、良い社長の要件を筆者なりにずっと考えてきましたので、お話しします。

要件1_無私であること

自分のエゴを満足するために社長はやってはいけません。社長は社員にFor the company!という以前に社長自身が自分を殺さなければいけません。社長は無私であればあるほど、周りがよく見えます。人の心も読めます。それができれば判断を誤りません。

要件2_人に好かれること

社長はどんなに苦しい時も、笑顔が必要です。辛い仕事も、辛い判断もそれを楽しむ心があれば、社員は社長が好きになります。好かれれば、社員も無理を聞いてくれます。お客も同じです。

要件3_自分も成長し続けること

大手の企業では、社長は最終目的地。上がりの姿です。ですが、小さい企業では社長の力量で会社の器が決まります。社長が成長しないと、企業そのものが成長しません。社長は自らに謙虚で、常に人のアドバイスを受け止めて、自分を高める必要があります。

要件4_弱者に対する思いやりを持つこと

社長は競争社会に生きています。自分の会社の為なら、競合もパートナーも、場合によっては社員も犠牲にします。これは仕方がないことです。でも、その社長自身に自分の判断の犠牲者に対する温かい思いやりが必要です。そうでないと、社長は鬼畜になってしまい、人間失格になってしまいます。逆に、思いやりがあれば、経営判断もきっともっと適切になります。

良い経営者になるため

こう挙げてくると、読者はきっと「ちょっと待て!MBAでそんなこと教えているのか?それって経営学なのか?人間論なんじゃないの?」と思うのではないでしょうか?でも、これが筆者が出会った、良い経営者の共通項です。また、ケースを通して筆者が知り得た、良い経営者の共通項です。

MBAの学びは、突き詰めるとこの4つの要件に集約されます。このテーマを学生に伝えるために、「起業家と戦略」というコースを作り教えています。詳しい講義内容は次次回で。そして次回は 悪い社長 の話をします。


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