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《連載コラム》部長を辞めて教授になったMBA③:MBAを目指すのは隠れキリシタン?

#MBA #MBA取得 #MBA留学 #教授

お先に失礼します。
MBAを自分もとることを決意したものの、目標にむかってまっしぐらという訳にはいかないのです・・・。もちろん自分自身の怠け癖もあるでしょうが、もっと大きな障害は職場の周りの目と、それを意識しすぎる自分自身の気持ちです。例えば、猫の手も借りたいほど忙しい部署で残業している環境で、となりの席の同僚に、「ごめん今日はMBAの勉強があるからお先に失礼します。」と言えるでしょうか、また仮に同僚に言われた時、「そう、後は俺がやっておくから先にいいよ。」と素直に送りだしてあげられるでしょうか。そして職場の上司や同僚に対する遠慮から、「ちょっと抜けられる雰囲気じゃないし、今日の授業出席はあきらめよう。」と自分に言い聞かせてしまうことになるのです。特に上司に対しては、人事評価に直接影響する可能性もあります。これは実に悩ましい問題です。私の場合もTOEFLの専門学校や留学準備のために、残業を振り切って会社を後にする日々でした。

先輩MBAホルダーの復職
そんな折、一年上の入社年度の先輩である川端さん(仮名)が、休職して2年間の米国大学院のMBAを修了して復職してきました。川端さんもMBA留学準備の2年間程、誰にも告げずコツコツと勉強を続けました。当時の設立間もないDDIには、海外留学企業派遣のような制度はなく、どうしても海外留学したい人は、やむを得ず休職または退職するしか手立てはありませんでした。そんな折、いままで隠れキリシタンのようにMBAのための勉強をしていることをひた隠しにしてきた私にとって、川端さんは先駆者として心の拠り所となる存在でした。帰国復職されるや否や、さっそく帰り際に会社近くのトンカツ屋に誘って、エッセイの書き方等、いろいろとアドバイスをもらったりしました。川端さんも職場の後輩が同じような志を持って、人知れず頑張っている姿を見て応援してあげたくなったのでしょう。この時にもらったいろいろなアドバイスは、後に実際にMBA留学してから役立つことになります。

昼は会社、週末はMBA準備予備校
「自発的に仕事以外にキャリアアップのための勉強をする、自分に投資する」ということは、とても賞賛に値することです。にもかかわらず、それを周りの人に打ち明けられない職場文化というのはいかがなものでしょう。まるで隠れキリシタンのように、表面的には会社の業務に専念する姿勢を見せながら、平日アフターファイブや週末に学校に通うということに、何かしらの後ろめたさを感じる板挟みの感情の中で、自分の心も揺れ動いていました。「社員が自ら身銭を切って勉強して、その成果を将来職場に還元してくれる」こんな素晴らしいことに、一部の職場の上司は理解できない悲しい現実があります。世の中には「忙しい職場なのに、悠長にお勉強なんかしていないで、休日出勤でもしてもらいたい」と思う心の狭い上司も少なからず存在します。そしてこうゆう上司が、モチベーションや志の高い部下に相対的人事評価で、逆に不利な扱いをするという現状があることも残念でなりません。歴史のある大きな企業であれば、企業派遣というかたちでMBAを取得できる機会は、内部での選抜があるとはいえ存在します。周りのコンセンサスも得られているので、心配は無用でしょう。しかし割合としては少数です。派遣制度のない企業でMBAを目指したいと考えている人の多数は、自ら時間と費用を捻出して、隠れキリシタンとして黙々と挑戦しなければならない環境なのです・・・。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…

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