はじめまして。昨年から本校にお世話になっている大槻と申します。MBAコースの数少ない女性教員ということで、女性目線のMBAや社会人生活などについてお話していきたいと思います。
さて、現在、官民を挙げて「女性活躍」が推進されています。ネットで検索すると、関連サイトが4,000万件もヒットします。「男性活躍」で検索した場合の1.5倍です。
しかし、実は既に日本の女性は、OECD諸国の中で最も長い時間働いています。OECDの女性の平均労働時間が7.25時間であるのに対し、日本人女性は7.95時間です(OECD統計。15~64歳の男女を対象)。
但し、日本の女性の場合、労働時間の6割以上の時間が家事など無償のものに当てられています。しかも、男女で比べると、これらの無償労働が極端に女性に偏っています。無償労働時間の男女差は、日本が先進国中ダントツです。
米国のMBA出身の知人女性も、夜まで国際機関の日本支社でフルに働き、帰宅後一家4人分の夕食を作り、もちろん朝食も作っています。ご主人は、終電近くで帰宅し、家族と会話することが主な家事手伝いです。もちろん、それでもラブラブな夫婦なのですが・・・
この結果、日本人女性は睡眠時間が少なめになっています。一日の睡眠時間はOECD諸国中最低です。日本人男性の睡眠時間も短めですが、女性よりは少し長くなっています。
日本人女性が失っている時間がもう一つあります。「学校で過ごす時間、自主学修や研究にかける時間」です。OECD諸国中最低です。女性の高等教育への進学率の低さも関係しているのかもしれません。
睡眠も学修も、自分を癒し養う大切な時間です。これらがOECDで最も少ない日本の女性が、今のライフスタイルのままで、仕事も子育てももっと頑張るというのは結構しんどいと思います。日本の若手女子のみなさんは、もっと利己的になって、自分の時間を作ってもいいのではないでしょうか。
そして、男性のみなさんへ。今日はお母様や奥様の家事を引き受け、優しい言葉をかけつつ、先に寝かせてあげてください…女性活躍推進の一番の原動力は、身近な人たちの愛情かもしれません。