ビジネススクールの守備範囲
海外では100年近い歴史を持つビジネススクール教育ですが、国内ではビジネススクールという概念は2000年以降に普及し始めたものであるため、歴史が浅く「ビジネス」に関連する教育・研修を行う企業、専門学校、私塾、がビジネススクールを標榜して多くの誤解が存在しています。
まずグローバル基準で考えた場合、ビジネススクール=大学院ではありません。この部分を正確に理解できている方にお会いした事は国内ではほとんどなく残念でなりませんが、欧米では大学生レベルでもよく知られている常識であります。正確には、マネジメント教育を行う経営学部の3・4年次の専門教育課程と大学院の教育課程(修士・博士)をあわせてビジネススクール教育と考えるのが正しい認識となります。
このように、大学の1・2年次の教養教育を終えた後の、経営学に関する専門教育がビジネススクールの守備範囲となりますので、ビジネススクールではこうした経営学に関する学位課程(学士・修士・博士)以外にも、非学位教育として、興味のある科目をアラカルト形式で提供する「単科科目」、「企業研修」が社会人を対象に実施されています。
こうした非学位教育には、数日で修了する特定分野の科目から、履歴書に記載することができる履修証明プログラムまで幅広く存在し、欧米では社会人の学び直しを目的としてビジネススクールが積極的に提供しています。伝統校になるほどこの非学位教育が充実している現状は日本ではあまり知られていませんが、ビジネススクールの収入の50%を超えるケースも珍しくはありません。