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ビジネススクールとは?《社会人大学院を比較する視点》

ビジネススクール(英:Business School)とは経営学を通じてMBAを授与する「経営大学院」と考えがちですが、それは日本でしか通用しない考え方です。実は世界中に存在しているビジネススクールとはもっと幅広い参加者を対象として教育を提供しているのです。今回のテーマは海外で教育を受けた人材を採用する上でとても重要ですので、特に人事担当者の方には正確に理解していただきたいと思います。まず、以下はビジネススクールが提供する学位のうち大学院教育に関連するものです。



ビジネススクール《そもそもの誤解》

まず、ビジネススクールの国内での認識についてですが、2003年に発足した「専門職大学院」という大学院教育が社会人を対象とした高度な専門教育を行うということでいわゆる「ビジネススクール」という言葉が出てくるきっかけとなりました。しかしこの専門職大学院の登場する以前から大学院教育でも社会人を対象とした高度なマネジメント教育がいくつかの「大学院」で実施されており、本学もその中の一つです。したがって、ビジネススクール=専門職大学院と考えるのは大きな誤解のもとです。

ビジネススクールという概念は、欧米社会では100年以上の歴史を有している伝統的な教育機関が提供する、学部課程(4年)、大学院課程(2〜5年)、そして非学位課程(数日)で構成されていいます(日米の標準的な修了年限)。したがって、欧米社会ではビジネススクールで勉強したという表現だけでは、それが経営学部を卒業した事を指しているのか、経営大学院(修士課程・博士課程)で学んだのか、あるいは社会人になってから会社から派遣されて科目履修したのかを区別することは困難なのです。

ビジネススクールを比較するための視点《大学院》

まず、あまり着目されることがない視点ですが、今から進学しようとする教育課程(プログラム)の修了課題が何に設定されているか?はビジネススクール選択において本来重要な視点です。ミッションドリブンで考えるならば、実践的な学びを提供するMBAであれば「特定課題研究」、特定領域に関する深い研究力を提供するMScであれば「修士論文」になるのが自然です。


国際認証 AACSB・AMBA・EQUIS
取得学位 Executive MBA・MBA・MSc
修了単位 40単位(国内平均)
修了課題 特定課題研究・修士論文
修了年限 2年間(最短1年間)

ビジネススクール《学位に関する誤解》

また、ビジネススクールで修士課程を修了したといっても「MBA」を取得したとは限りません。ビジネススクールには経営学を網羅的に学ぶプログラム(MBA)と、特定の領域(例えばファイナンスやマーケティング)を専門的に学ぶプログラム(Master of Science)の2種類が存在するためです。ちなみにビジネススクールの学士課程(学部)を卒業するとBBAもしくはBScが授与されることになります。

さらにビジネススクールの中には社会人を対象とした非学位の教育課程(Executive Education)も提供し、学位プログラム(BBAやMBA)より大きな規模で活動している場合もあります。さらにはこのExacutive Educationのみを行う研修企業が〇〇ビジネススクールと名乗っている場合もありますので、一体どこからがビジネススクールなのか判断するためには一定の基準が必要になります。

ビジネススクールを認定する枠組み《国内基準》

日本国内であれば、文部科学省が大学設置基準を策定し、それを満たした上で経営学に関する学位(学士、修士、博士)を提供することがビジネススクールたる最低限の基準といえましょう。とはいえ国内でも国立と私立が存在し、大学院と専門職大学院が存在する今、ビジネススクール教育に相当する設置基準も1つだけではないのが現実です。さらには、学校教育機関でなければビジネススクール名乗ることができないのもおかしな話で、こうした状況は国内ビジネススクールのみならず、世界中で起こり得ます。国が異なれば大学設置基準も異なって当然で、場合によっては州ごとに微妙に異なるため、ビジネススクールの基準が数多く存在しているのです。少なくとも国内の「専門職大学院」が提供するビジネススクールであれば、大学基準協会が5年毎に実施する「専門職大学院認証評価」の報告書が存在し、それらは公表されていますので、受験前に必ず一読すべき資料です。各ビジネススクールとしての課題と特徴とが多面的に記載されています。

  • 検討課題(チェックポイント)

ビジネススクールの質保証を担う《国際基準》

そこでビジネススクールとは何かを国際的な視野と基準で定め、第三者的に認証する事を目的とするのがAACSB(米国基準)、AMBA(英国基準)、EFMD(欧州基準)といった国際機構になるのです。こうした国際機構が実施するビジネススクールの国際認証は、プ教育課程の品質や研究力を国際的な視点で定期的に審査する事を目的としており、最終的にビジネススクール同士が切磋琢磨し高め合う場を作り上げているのです。

ビジネススクールのプログラム構成(例:MIT Sloan)

  • Ph.D.(博士)
  • Executive MBA(修士)
  • MBA(修士)
  • Master of Finance(修士)
  • Master of Business Analytics(修士)
  • Master of Science in Management(修士)
  • Executive Education(社会人教育)
  • Undergraduate(学部)

出典:http://mitsloan.mit.edu/academic/

こうしたビジネススクールとは何か?という視点は欧米社会ではマネジメント層においては常識で、ビジネススクールの話題が出ると、それって学部の話?それとも大学院の事?などと質問されたりします。また近年、高学歴化が進んでいる中東やアジアでも理解が進んでいるように感じます、しかしながらこの点を正確に理解している日本人はごく少数で理解が遅れているのが実情です。

ビジネススクールとマネジメントスクール

私がビジネススクールに関して疑問に感じているのは、専門学校が「・・・School of Business」と英語名で学校名を表記している点。海外のビジネススクールの友人に、日本のビジネススクールは、ビューティービジネス、フラワービジネス、ペットビジネス(笑)まで教えるのか?と質問されて戸惑った事があります。こうした「専門学校」は、欧米社会にも職業訓練学校として存在し「Vocational School」、「Career School」もしくは「Career College」という呼び名で通っており、認証する団体もACCSC(米国)など存在しているのですが、日本国内ではビジネススクールと自称しています。

先日ある海外のビジネススクールの教員と雑談していたところ、ビジネスを教えるというのはあまりにも幅が広すぎる...実態としてマネジメントに関連する話題が多いので「ビジネススクール」というよりも「マネジメントスクール」の方がしっくりくるとのことで、現在、学校名の変更を検討しているという話題になってきました。日本語ではビジネススクールという名称を使用しながら英語名ではマネジメントスクール(...School of Management)と表記している大学院はとても多いのです。



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