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「MBAが会社を滅ぼす：マネジャーの正しい育て方」というこれまたセンセーショナルな書籍が2006年に出版されました。ゴシップ的な邦題で、原題は「Managers Not MBAs」なので「必要なのはMBAではなくマネージャ」ということになります。ビジネススクール関係者として思わず、反発心から書籍を読んでみましたが、誤訳？意訳？のタイトルとは異なり、内容はマネジメント教育に対する的を得た指摘がなされています。
彼の指摘の1つとして、企業のマネジメントに必要な要素は「熟練（Craft）」「想像力（Art）」「科学（Science）」の3つであり、その1つであるサイエンスに偏ったMBA教育が、企業経営に弊害をもたらすという指摘は大いに同意するところがあります。事実、MBA志願者の中には、サイエンスが生み出した流行的な「フレームワーク」をいかに多く身につけ、それを会社で実践する事がMBAの価値だ、と誤解している方もおられます。しかしながら、フレームワークがもたらすのは分析のみで、決して新しいアイディアは生まれてきません。
本来、ビジネススクールは企業が求めるリーダーシップあふれるマネージャーを育成しなければなりません。教育機関として業務特有の課題である「Craft」に直接関わることは困難ですが、少なくとも「Art」と「Science」このふたつを強化するカリキュラムが、MBA教育とは何かを考える上で重要です。
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