MBAと聞くと、Apple、アマゾン、スターバックス、など欧米の華々しい企業のケースを扱っているようにみえますが、必ずしもそういうわけでもありません。
あまり知られていない事実として、ファミリービジネスとMBAの非常に密接な関係です。「後継者がいない-バカ息子より猫に会社を継がせたいと考えている経営者へ」という笑えない書籍を読んだことがありますが、MBA取得を考える方の一定数は事業継承を考える方です。会社の経営にMBAという「学位」は必要ないかもしれません。しかしながら、家業を継承してから将来起こるであろう課題を、他社のケースを題材にして自分ならこう判断する、という習慣を、比較的若い時点から身につけようと多くの方々が通っておられます。
ファミリービジネスにおいては持ち株比率にかからわらず、創業家が強い発言力を持つことが多いため、バランスのとれた判断力を養うためにも、若いうちから取引先の企業で修行というのは国内外でよく見られますが、MBA教育もその選択肢として考える時代が訪れています。さらに医師、弁護士、歯科医師、獣医、税理士、など専門職の方々も、開業されると事業所の経営者としての側面を持つことになり、ビジネスの手腕が問われます。近年ではこうした方々も数多く通っているのが日本のビジネススクールの現状といえます。