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ケーススタディとは

前回のコラム「マーケティングで教えていること」では、「講師は、未来の不確定な状況に、学生が対応できる能力を養成できなければ講師の資格はありません。」と大見得を切ったのですが、今回は実際それをどう実現しているかのお話です。

ビジネススクールでは、ほとんどの学校がケースメソッドを使っています。ケースメソッドはMBAの代名詞です。このメソッドはハーバード・ビジネススクールが源流で、世界中のビジネススクールに普及しています。ケースと呼ばれる過去の企業の成功・失敗事例を書いた教材がまずあります。そのケースが学生に授業の2週間前に配布され、同時にそのケースに対するケースクエスチョンが提示され、学生はそのクエスチョンに応えるべく予習します。授業では講師はケースクエスチョンにほぼ従って討議を実施します。


ケースクエスチョンは、大括りにすれば3つ!

Q1 この会社の強み・弱み・課題は何か?
Q2 なぜ、こんな事態になってしまったのか?
Q3 主人公は、この事態にどう対応したら良いのか?

どのMBA科目もほぼこの骨子は変わっていません。それぞれのクエスチョンがケースメソッドの本来的な目的を示しています。
Q1は、[過去・現状を把握して分析する能力]
Q2は、[論理的に事象を考える能力]
Q3は、[意思決定能力]
この3つの能力を見て判るように、MBA学生の実務対応能力を養成する為のものです。ケースメソッドは知識や理論を学ぶ手法ではありません。

ケースには必ず主人公がいて悩んでいます。悩んでいる主人公がいなければ、それはケースとは言えません。日経ビジネスの記事とケースの大きな違いはそこにあります。MBA学生はケースを読み解くなかで、実はその主人公の追体験をしています。そして、最後はその主人公になりきって意思決定を下します。さらに、教室では他の学生の追体験談を聞きながら、自分の用意した意思決定をさらにレベルアップしていきます。ハーバードでは2年間で600ケースを学びます。つまり、2年間と短い期間ですが、なんと600人の経営者の追体験をする訳です。結果何が生まれるか?お分かりになると思います。

経験豊かなリーダーが生まれる。

このリーダーは未来の不確定な状況に対応できる能力を持っています。それが、ケースメソッドで学んだMBA学生のゴールです。一つ一つのケース、一つ一つの議論を大事にしよう、その積み重ねが皆さんの経験になる。といつも学生には話しています。一つ逸話。「ハーバードはケースばっかりの毎日で、理論や知識はまったく教えてくれない」とハーバードの学生は学校によくクレームします。学校の答えはいつも一つ。「ケースが嫌なら他のビジネススクールに行ってください」。理論や知識は自分で本を読んで勉強して、ケースでひたすら実践能力を鍛える。とういうのがケースメソッドです。

MBAコースによっては、ケースメソッドに重きを置かずに、より理論や知識を教えることに主流を置くところもあります。学校選びでは、自分のMBAの勉学の目的は何か?をベースに検討されることをお勧めします。これは、良し悪しの問題でなく、個人の目標設定の課題です。
ケースメソッドの授業の実況中継的なお話は、後日別コラムで詳しくお話しますので、お楽しみ。


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