社会人に《博士号》は必要? - 前編
そろそろ卒業の季節、修士号を取得して次は博士号!と考えておられる方もいるのではないでしょうか?博士号(Ph.D.)とは博士課程(大学によっては博士後期課程)を修了した者に与えられる学位であり、研究領域によって博士(経済学)、博士(経営学)、博士(法学)の様に分類されます。採用サイドの立場から極論を言うと、大学の教授、企業の研究員など、いわゆる《研究職》としてのキャリアを選択するのであれば、博士号の取得は必須です。
ただ注意すべきは、博士課程進学に伴い専門領域が研究テーマにフォーカスされるため、採用ニーズとのミスマッチがリスクとなるのも事実。キャリアを意識して研究テーマを設定するのはおかしな話ですが、マニアック過ぎるのもどうかと思います。研究テーマは一生を左右しかねませんので慎重に考えて下さい。
ちなみに日本では博士号なしで大学教授というのは珍しくないですが、世界でこの様な国は珍しいでしょう。社会学領域においては国内で博士号取得が極めて困難というのがその背景です。難易度が高い事が悪いのではなく、博士号授与のための要件が不明瞭であったり、指導教官によって方針が大きく異なる(シス卿の如く生涯に博士号を授与する弟子は一人しか持たないという厳格な教えを貫かれる事もあるとかないとか)など、不確定要素が多い点が課題として挙げられるでしょう。