女性管理職のNG服装とは?《中根かつみ客員講師 コラム》
この写真は、1989年の映画「ワーキング・ガール」のワンシーンです。「隙のない服装は着ている者を引き立てる」というココ・シャネルの言葉を用いて、女性管理職が女性アシスタントに服装についてアドバイスしているところです。この映画の中でとても印象深い場面です。
女性管理職にふさわしい服装とは?
私(中根かつみ客員講師)は、管理職向けのセミナーでマナーや服装について講演をする機会がありますが、それに参加して下さる方々の服装は様々です。女性経営者の方でノースリーブのワンピースに派手なアクセサリーの姿を見ると、「そのファッション、気をつけて〜!」と心のなかで叫んでしまいます。実は、とても評判が悪いビジネスファッションなのです。
女性の社長・経営者・管理職の服装にテーマを絞って講演会をしてほしいという依頼も受けますが、その背景には女性がビジネスの世界へ進出した歴史がまだ浅い日本では、女性のビジネスシーンにおけるドレスコードが浸透しないせいかもしれません。女性管理職を30%以上に!と女性活躍推進を声高らかに目標を掲げている一方で、女性の悩みは仕事そのものやワークライフバランスだけではないのです。
キャリアウーマンから「何を着て良いのかわからない…」と切実な相談を受けることが度々あります。私たちは社会に出た頃から、男女問わず先輩の姿を見て”仕事”を学んできました。しかしながら、まだまだ私たちより上の世代は女性管理職が多くない世代です。ですから女性のビジネスファッションについては参考にすべき先輩管理職や経営者がいなかったのです。
服装について参考にできる先輩がいなかったので、女性のスーツといえばリクルートファッションの延長か、保護者会のママファッション…そして、「気をつけて~!」と私が叫んでしまいそうになるノースリーブワンピースの女性管理職が現れてしまうのではないでしょうか。私の講演を聞いてくださった女性からもビジネスファッションが良く分からない、ましてや後輩の服装の指導などできない、とよく聞きます。
そして、一番注意が必要なのは、おしゃれに自信を持っている「おしゃれ番長」です。ビジネスファッションでは無難で当たり前すぎて、せっかくの自分のセンスをアピールできないと感じてませんか?それは今すぐ考えを改める必要があります!ファッショナブルすぎる服装は美容、ファッション、クリエーターなどの専門業界を除き、ビジネスパーソンには相応しくないものが多いです。
ビジネスファッションでジャケットを着用してないなんて、はっきり言ってあり得ないです!しかし現状はノージャケットどころか、ノースリーブで思い切り肌を露出したセクシーすぎる服装だったり、かわいらしいフレアスカートでフェミニンを主張しすぎる服装の方がいます。あなたのまわりにも、そんなダメ服装のビジネスウーマンを見かけたことはありませんか?
隙のない服装は着ている者を引き立てる
ここで冒頭に紹介した映画の言葉にもどりますが、「隙のない服装は着ている者を引き立てる by ココ・シャネル」の言葉は心に留めていなくてはなりません。
女性経営者、女性社長、女性管理職と言われる方々は、まわりに注目される存在だということを自認して、ジャケットを着用して男女関係なく信頼されるビジネスパーソンとして振る舞う必要があります。
女性も昇進を狙うならば、本気でビジネスファッションについて考えてみてください。
MBA単科「エグゼクティブのためのビジネスマナー」
名古屋商科大学ビジネススクールが開講するMBA単科で「エグゼクティブのためのビジネスマナー」の講師を担当しています。自分自身の存在感や印象をマネジメントするスタイリング手法について考察し、戦略的にビジネスパーソンとしての印象をマネジメントするための理論を理解する講義です。よろしければこの講義に参加して、自分のビジネスファッションについて考えるきっかけにしてください。