三田評論(Vol. 1224)に掲載された竹内伸一教授の記事を読みながらケースメソッドの小歴史に触れ、国内でそして慶應義塾でケースメソッドに向き合ってこられた先生方に敬意を抱くと同時に、懐かしい記憶が蘇ってきました。私とケースメソッドの出会いは2001年、IVEYビジネススクールを訪問した際に目にしたクラス光景です。
なんと教授の問いかけに対して学生が発言しているにも関わらず、他の参加者があちこちで挙手しているのです。その中の一人はなんと机の上に分厚い本を何冊も重ねて肘を置き、さらには目立つように手に赤いペンを握りながら挙手をしているのです。この空間は一体何?これが私のケースメソッドそしてMBA教育との遭遇で、帰国後、導入に向けた検討・準備が始まりました。それから18年の月日が経過し、多くの面において前進(レベルアップ)しましたが、このケースメソッドというダンジョンにはドラ◯エのごとく攻撃力の高いボスキャラが立ちはだかります。
特に初代ラスボスは凄いインパクトのある名言を残しています「わしの味方になれば世界の半分をお前にやろう」この言葉にNOと言える人はいるのだろうか・・・。それは別にして、ボスキャラと戦うには旅を共にする仲間が必要で、ドラ◯エでは基本4人で行動しています。同様に全校レベルでケースメソッドを実践するにも信頼できる仲間と共に役割分担を行う必要があります。具体的には1)攻守バランスタイプ(主人公)、2)物理攻撃タイプ、3)呪文攻撃タイプ、4)回復タイプ、それぞれの役割分担が明確になっていることが理想的です。
昔、学校から家に帰って来たらファミコンがドラ◯エのカートリッジとともに消えていました。当然のことながら母親は知らないの一点張り(絶対にそんなハズはありません)、ラスボスを倒す前に取り上げられてしまったあの悔しさは今でも忘れません。今回は必ずクリアしてみせるぜ!
参考文献 竹内伸一 (2018). 「『ケースメソッド』と向き合って」『三田評論』Vol. 1224, pp76-79.