学士、修士、博士、は全て学位と呼ばれ、英語では「Degree(ディグリー)」に分類されています。高等教育機関が提供するのは実はこれら「学位」だけではないのをご存知でしょうか?実はあと2つ「ディプロマ」と「サーティフィケート」が存在しますが、この3つをきちんと区別して説明できる人はかなり限られると思います。大前提として、以下は大学院の事例として解説します。
すこし乱暴な解説ですが、ディプロマ(修了認定課程)は、ディグリー(学位課程)から卒業論文を省いた形となります。例えば、実務家のための修士課程相当の専門職教育やリカレント教育を行う場合などで、科目履修が教育課程の中心で博士課程への進学が不要な場合に提供されます。論文指導がない分、取得に必要な年数も少し短く、目安としてディグリーの半分(1年)と考えておけば良いでしょう。大学院が提供するディプロマは欧米社会において私たちが思う以上に定着しています。履歴書には、Postgraduate Diploma(短縮形:PgDip)と記載され、英国では修士と同格のレベル7になります。
次に、サーティフケート(履修証明課程)は国内でも文部科学省によって運用が開始されており、120時間もしくは60時間といった所定時間に相当する体型的な教育課程を履修することで取得できます。60時間というと、一般的な大学授業の3科目分に相当しますので、何か1つのテーマ(「デジタル変革」や「マーケティング戦略」)に焦点を当てた学修を行った(単位取得は必ずしも必要ではありません)ことを証明する制度です。履歴書には、Postgraduate Certificate(短縮形:PgCert)と記載します。
種類 | 課程 | 修業年限 | 学位論文 | 単位取得 | 表記例 |
Degree | 学位課程 | 2年 | 必要 | 必要 | MBA/MSc |
Diploma | 修了認定課程 | 1年 | 不要 | 必要 | PgDip |
Certificate | 履修証明課程 | 所定時間 | 不要 | 不要 | PgCert |
教育課程紹介