MBAと中小企業経営の相性

今日の朝刊記事を見ながら、企業の事業承継者として、事業再生の担い手として、創業間もないベンチャー企業のマネジメント役として、MBA取得者のキャリアが広がっていることを実感しています。と、同時に10年ほど前のある卒業生の事を思い出しました。

彼は、MBA取得後にM&Aの事業再生を専門とする企業に転職しました。派遣先では、想像を遥かに越える現状が待っていました。罵声を浴びながらも、来る日も来る日も銀行や取引先を懸命に説得し続けました。その間も別の企業から採用の勧誘があったのですが、彼は意に介さず、懸命にその中小企業の立て直しに奔走しました。今、思い返せば半沢直樹の世界で見た「ネジ工場」の光景だと思います。彼は5年かけてなんとか事業再生への道筋を見いだし、その後、誰もが知っているあの企業の社長として引き抜かれました。

彼は、よく言っていました「大小に関わらず企業経営にはぶっ飛んだ発想が必要」だと。

Written by

栗本博行

大阪大学にて博士（経済学）を取得。消費者行動分析を中心とした経営戦略に関する論文を多数執筆し、近年は事業継承に関する研究やケース開発に取り組む。学内外においてケースメソッド教育のFDを多数実施しながら、経営教育の国際化と高度化に取り組む。現在、栗本学園理事長、名古屋商科大学長、AMBAおよびEFMDのアジア諮問委員、事業承継学会常務理事を務める。

MBAと中小企業経営の相性

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