人気グループの組織論

国民的グループの解散については残念ですが、組織運営の視点からは賞賛に値するという意見もあります。というのも、人によってリーダーシップのスタイルは、情熱型、分析型、調和型、のように様々であるためです。そして組織運営の立場からは、メンバーのリーダーシップにはその組織の活動目的に合致させながら、同時に多様性が求められるのです。例えば、新規事業開発部のメンバー全員が同じ「情熱型」であったり、逆に営業部のメンバーが全員「分析型」で構成されていたら大変なことになると想像できますよね。

やっかいなのは、その自分にとって心地の良いリーダーシッップのスタイルは不変ではなく、時の経過とともに変化していくと考えられている点です。組織戦略上の課題とは、こうした常に変化する内外の環境変化に対応しながら、その組織の使命を達成させることであります。

企業ではこうした課題は、組織構成員の入れ替わり（いわゆる人事異動や組織再編）を実施することで対応しようとします（確かに実践しているグループありますね）。しかしながら、今回のような数名の固定チーム構成で長期間、内部で変化するリーダーシップを一つに束ねておくのは至難の技です。そう考えると、25年という実績は組織運営の立場からは尊敬に値しますし、企業経営者も今回の報道から学ぶ所も多いと感じます。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。

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