MBAファイナンスで登場するブラックスワン理論とは、誰もが「そんな事ありえないよ」と思っていた事態が発生する場合「市場に予測出来ない程の強い衝撃を与える」という理論です。そもそも、ヨーロッパでは白鳥とは「白色」だけと思われていたのですが、1697年にオーストラリアで「黒い」白鳥が発見されました。以来、ありえなくて起こりえない事を表現する場合「ブラックスワン」という言葉を使うようになりました。
身近な例としては、自然災害以外に、イギリスEU離脱や、トランプ大統領、など、気象、経済、政治に関する事前予想と、現実が逆転してしまう現象などがこのブラックスワンといえます。このブラックスワンの本質は「私達は物事の本質を自分で思うほど理解出来ていない」という事実。私達は取るに足らない事ばかりに気を取られてしまい、不意をつくような重大な事象が人々に多大な影響を与えながら、世界を形作っていると考えられます。
因みにブラックスワン理論を提唱しているのは、ウォール街でトレーダーとして活躍し、その後「認識論」の研究者となったナシム・ニコラス・タレブ氏。完全には理解出来ない世界で、どのように行動すべきか、偶然性と不確性にみちた未来とどう向かい合っていくべきか、などが研究されています。