なぜMBAが必要なのか？

MBAの要不要論のような議論をたまに見かけますが、この20年間でMBAを希望する肩の数が10倍近くにまで増加しているのも事実。なぜこれほど多くの方がMBA取得を目指すのでしょうか？この10年間で300人以上のMBA志願者の方々を面接してきて感じたのは、MBA取得を希望する方の内的なモチベーションは大きく分類して以下の3つになるかと思います。

社内でのさらなる活躍を期待して
将来の独立に向けての準備
自社の発展的成長のための自己投資

新規事業開発、海外展開、M&Aや業務提携に伴う組織再編が生じると、画一的な階層別研修そのものが困難になり、従来のマネジメント研修や管理職研修にかわって「MBA」など体系的に全社的な視点で物事を意思決定するトレーニングを受けることが「わかりやすい」管理職候補としての目安となるのです。この「わかりやすさ」がとても重要で、マネジメントに必要な総合的な判断力を体系的に提供しているのは現実的にはビジネススクールしかないのです。

現在、国内でMBAを取得しようとしている方々の中心的な年齢層は30-40代となります。この事実が意味するのは、10年後にはMBAホルダがマネジメント層に達する事になり、人事制度が大きく変化するということ。その時に慌ててMBA取得を考えても間に合いません、実務経験3年、もしくは10年を迎えた年に真剣にMBAと向き合うことをお勧めします。

Written by

栗本博行

神戸大学経営学部卒業後、大阪大学経済学研究科にて修士/博士（経済学）を取得。製品開発戦略を主な研究対象とし、規格競争分析に関する論文を多領域に亘って執筆。近年は事業継承に関する研究に取り組む（事業承継学会理事）。ビジネススクールではEMBA/MBAプログラムの立ち上げから運営まで幅広く携わる。