ビジネススクールとは
ビジネススクールとは何かを考える上で欠かせないのがその教育対象です。日本ではビジネススクール=大学院という捉え方をされますが、ビジネススクール発祥の地といえる欧米社会では学部(学士)と大学院(修士)そして企業研修(非学位)までがビジネススクールの守備範囲となります。因みに大学以外にもビジネススクールの名前を利用する専門学校や企業(企業研修会社)が多く存在するので、MBA取得を考える際には、カリキュラムおよび教授陣の教育・研究実績がビジネススクールとしての国際的水準を満たしているのかどうかが重要となります。その際の判断基準となるのが、ビジネススクールの国際的な認証機関による認証の有無であり世界で最も有名なMBAランキングを提供する「Financial Times ランキング」では、国際認証を受けていることがMBAランキング対象の基礎条件であると明記されています。
ビジネススクールとは何?
日本においては、修士課程が「大学院」と「専門職大学院」とに区分されています。雑誌などの紹介で後者をビジネススクールと区分するような傾向がありますがそれは誤りです。世界の「ビジネススクール」の常識は教養教育を終えた「学部」3年生からはじまり、修士課程、そして博士課程までを指しますので「経営系の専門職大学院=ビジネススクール」という構図は存在しません。そうです、欧米ではビジネススクールとは、学部と大学院で構成されているのです。
以下が、文部科学省の定める学校教育法における「大学院」と「専門職大学院」の定義ですが、外国の方に両者の違いを正確に説明するのは至難の技です。このようにいわゆる「大学院」を二種類に分類されている背景には、従来、日本の大学院が事実上「学者養成機関」であったことを鑑み、実務家養成を専門に行うことの出来る何らかの新たな制度的な枠組みが必要とされていたことが推察されます。日本においては、専門職大学院という新たな制度が登場する前からMBA教育を実践してきた、慶応ビジネススクールや名古屋商科大学ビジネスススクールなどは「大学院」の基準でMBA教育を実施しており、2000年以降に経営系大学院として実践的なマネジメント教育プログラムを始めた大学では、多くが「専門職大学院」の枠組みでMBA教育を実施しています。
「大学院」は、学術の理論及び応用を教授研究し、その深奥を究め、または高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識及び卓越した能力を培い、文化の進展に寄与することを目的とする(学校教育法第99条第1項)。
大学院のうち、学術の理論および応用を教授研究し、高度の専門性が求められる職業を担うための深い学識および卓越した能力を培うことを目的とするものは「専門職大学院」とされる(学校教育法第99条第2項)。