よく教員のクオリティを示す指標として「実務家教員比率」という比率が使われることがありますが、「実務家」と「実務家教員」の違いをご存知でしょうか?この違いは受講生にとってとても重要であるにもかかわらず、あまり認識されていない点であります。まず、実務家とは辞書では「実務に携わっている人」という扱いですが、単に仕事をしていれば良いわけではないので、ここでは「専門家(プロフェッショナル)」と捉えておきます。すなわち、弁護士、医師、会計士、税理士、コンサルタント、アナリストなど「専門職業(士業)」にある方を主として指します。
こうした専門職としての長年の実務経験は、ケースディスカッションをリードする上で欠かせない要素でありますが、特定の領域における実体験が強すぎる点が問題といえます。一方で、実務経験を有しない純粋にアカデミックな研究者教員(いわゆる学者)の場合には、普遍的かつ体系的な議論が行えるというメリットを有する一方で、実務経験に基づくビジネスの現場でのドロドロした出来事を議論することが難しいという問題を有しています。
したがって、このジレンマをクリアするために、MBAの国際認証基準においては、いわゆる「実務家」には専門職としての経歴に加え、学術的な経歴(最低でも修士号)を兼ね備える事で「実務家教員」として認定すると同時に、ビジネススクールの教員を「研究者教員(AQ)」と「実務家教員(PQ)」教員として区分し、教育ミッションに応じてPQの比率に一定の制限をかけています。
よく読まれている記事
-
日本国内MBAの特徴
- #MBA日本
- #MBA国内
日本国内でMBAを取得するメリットを考えてみましょう。日本でMBAを取得する上では開講形態が重要な要素となります。日本国内のMBAの現状は社会人が仕事とMBA取得の両立を目指すパートタイムMBAと、仕事を離れてMB...
READ MORE
-
MBAと女性キャリア
- #mba
- #女性
本日は「社会人学び直しシンポジウム《輝く女性のキャリア形成》」という会が開催され、多くの方々にご参会いただきました。女性は男性以上にライフイベントの影響を受けやすいため、学び直しの機会を得にくいと...
READ MORE
-
MBAの難易度とは?《入学編》
- #MBA
- #難易度
- #試験
MBAの入学説明会で質問される内容は「MBAの難易度」です。MBAの難易度は「入学試験」と「単位取得」の困難さが考えられますので、今回は入学試験の難易度にフォーカスして説明いたします。まず、MBAの入学試験に...
READ MORE
-
ケースメソッドの魅力
- #ハーバード
- #ケースメソッド
- #ケース
ケースメソッド《Case Method》とは1921年にハーバードビジネススクールで使用されたボストンの靴工場のケース『General Shoe Company』を起源とし、日本国内では「ハーバード白熱教室」で日本でも一躍有名になっ...
READ MORE
-
MBA取得方法《MBAとMSc》
- #MBA取得方法
- #MBA
- #MSc
MBA取得を考える上で忘れてはいけないのが出願資格です。この資格とは「学歴」と「職歴」を指しており、出願資格さえクリアできれば残るは入学試験です。入学試験の多くは書類審査と面接試験になり(海外MBAの場...
READ MORE