よく教員のクオリティを示す指標として「実務家教員比率」という比率が使われることがありますが、「実務家」と「実務家教員」の違いをご存知でしょうか?この違いは受講生にとってとても重要であるにもかかわらず、あまり認識されていない点であります。まず、実務家とは辞書では「実務に携わっている人」という扱いですが、単に仕事をしていれば良いわけではないので、ここでは「専門家(プロフェッショナル)」と捉えておきます。すなわち、弁護士、医師、会計士、税理士、コンサルタント、アナリストなど「専門職業(士業)」にある方を主として指します。
こうした専門職としての長年の実務経験は、ケースディスカッションをリードする上で欠かせない要素でありますが、特定の領域における実体験が強すぎる点が問題といえます。一方で、実務経験を有しない純粋にアカデミックな研究者教員(いわゆる学者)の場合には、普遍的かつ体系的な議論が行えるというメリットを有する一方で、実務経験に基づくビジネスの現場でのドロドロした出来事を議論することが難しいという問題を有しています。
したがって、このジレンマをクリアするために、MBAの国際認証基準においては、いわゆる「実務家」には専門職としての経歴に加え、学術的な経歴(最低でも修士号)を兼ね備える事で「実務家教員」として認定すると同時に、ビジネススクールの教員を「研究者教員(AQ)」と「実務家教員(PQ)」教員として区分し、教育ミッションに応じてPQの比率に一定の制限をかけています。
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