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ケースを使った講義が仕事で役立つ理由

ケースにまつわる話


筆者は講義の冒頭でいつもこんな話を学生にしています。

皆さんはビジネススクールに何を求めて入ってきたのですか?
資格を取りたいからですか?
知識を得たからですか?

それもあるけど、もっと大事なものがあるよね。それは、自分を成長させる事、そして今の仕事・将来の仕事でここで学んだ事を役立てる事、だよね。

クラスでは、共に学ぶ

だからこの講義は「共に学ぶ」の精神が大事です。ケース討議を通じて、講師が皆さんに教えるのは時間的には全体のたった10%です。残りの90%の時間は他の学生と議論しています。つまり、教官から学ぶより教室にいる学生同士の発言で学ぶことの方が、ずっと多いのです。「共に学ぶ」ためには、自分がクラスに何が貢献できるかを常に考えてください。他の学生の発言から自分が学べるのであれば、自分は発言で他の学生にお返しをしなくてはならない。ギブアンドテイクの精神です。それが発揮できない学生(学校では俗称フリーライダーと呼ばれています)がいたら、皆さんの力でその学生を教室から追い出してしまって結構です。

クラスで発言するためには、入念な予習が必要です。ケースクエスチョンに対して、綺麗にレポートをまとめるのではなく、クラスで何を発言したら良いのかをひたすら考えてきてください。講師がケースクエスチョンを通じて、何をクラスで議論したいのかを考えることが大事です。クラスに来たら、折角時間をかけてきた予習の成果を、どんどん発言してください。クラスの討議には答えはありません。クラス討議の流れが自分が準備してきたこととずいぶん違っていても、それは逆に発言のチャンスです。ただし、大事なことはそれを筋道立てて論理的に説明できることです。論理的な説明ができるのであれば、それは立派なクラス貢献になります。講師は議論を転換する意見をいつも求めています。

講義が終わったら、クラスで学んだ事を必ず復習してください。ケース講義における復習とは、「今日議論された事が、自分の仕事や会社に置き換えるとどういう意味があるのか?」を自らに問うという意味です。ここまでやらないと、皆さん一人一人の今日のケース討議は完結しません。

ケースを使った講義の目的

つまり、ケース討議はケースに書かれた悩める主人公の立場での、皆さん一人一人の追体験の場です。その主人公の立場を理解して、その立場になり切って、共に悩みを解決してあげる。その経験を一つのケース・一つの講義で重ねていることになります。その経験が2年間で凝縮され、それが皆さんを成長させます。普段の仕事では得られない密度とバラエティでの経験が得られます。

スキルや知識重視のビジネススクールや企業研修も世の中には数多くあります。それらは自分の目の前にある仕事には直接役立つかもしれません。でも、知識やスキルは使わなければ忘れます。英語を学んでも、使い続けなければ忘れるのと同じです。ケース討議による追体験の積み重ねは、スキー操作を覚えるのと同じです。一度身に付けたら、50年後に同じことをやってもその経験を体や頭が覚えています。また、習った後、場数さえ踏めば自分の努力でさらに上達が可能です。MBAの学びも同じで、2年間で得た経験をさらに場数を踏んでいくことで、さらにさらに成長できます。皆さんの一生を通じて見れば、MBAで学ぶ人間と学ばない人間の成長の差ははとても大きいですね。


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