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《連載コラム》部長を辞めて教授になったMBA⑤:MBAとるべきかとらざるべきか?

#MBA #MBA取得 #MBA留学 #教授

たった一人のプロジェクト
日常の罠に捕らわれながらも、必要書類など留学の準備は進んでいきます。職場の誰かに相談することもできないので、たった一人のプロジェクトといった感じです。MBAの情報が今ほど豊富ではないので、書籍をはじめ関連すると思われる情報は出来る限り集めました。知り合いにMBAホルダーがいると聞くと、わざわざ話しを聞きに行ったりしました。そんな折、通っていたMBA準備予備校で、卒業生の(つまり留学先が決まった人の)送迎会が催されるとの案内が来ました。当時その予備校は神田にあり、近所のホテルの小さな会議室で送迎会という名の予備校OB/OGが集う20人くらいの会が開かれていました。登壇したのは、その年唯一ひとりだけ、その予備校が総力を挙げてエッセイ等の指導をしてハーバード・ビジネス・スクールに合格させた人でした。最初の挨拶で「おかげさまで、〇〇さん(予備校の名前)のご支援で合格できました。有難うございます。」と照れ臭そうに話したその人は、後の楽天を起業した三木谷さんでした。そして三木谷さんの話に続いて、ビジネススクールでの生き残り術の体験談を話してくれる人が登壇しました。「ケースメソッドの授業では議論が進むと何を話しているかついていけなくなるので、最初に発言する」「授業での発言回数や内容の質(クオリティ)を授業ごとに書き留めて自分でリスク管理する」などケース授業での心得を聞くことができました。その人は後のボストン・コンサルティング代表の御立さんでした。

上司のMBAに対する評価
派遣制度のない企業でMBAを目指す人や、派遣制度があっても社内選抜で落ちてしまったにもかかわらず独力でMBAを目指す人が、必ず通らなければならない関門があります。それは上司への告知です。いつのタイミングで告げるかが一番の問題です。国内で働きながらMBAを取得するのであれば、このような心配はありませんが、海外留学によって、休職であれ退職であれ職場を離れるという場合には、避けては通れない道なのです。直属の上司がMBA取得を目指す部下に対してどのような考えを持っているか、これは本当に話をしてみるまで何とも分かりません。どのようなリアクションをされるか、非常にリスクの高いことであるのは事実です。大げさな言い方ですが、一度口にしてしまえば、後には退けない覚悟が必要でしょう。しかし海外留学ではなく、国内で職場を離れないでMBAを目指す場合は、このような心配は不要です。ですが、私の経験から申し上げると、たとえ職場を離れることのない場合でも、MBAの修了(卒業)証書をもらうその日までは、上司を含め職場の人には誰にも言わない方が無難かも知れません。

MBAとるべきかとらざるべきか
このような様々なプレッシャーを跳ね除けても、MBA取得を目指すことは本当に意味のあることか?授業料は、取得期間中の費用は、生活費はどうする?機会コストは?MBAを取得して修了後、本当にペイする(元は取れる)のか?今の組織で役立つのか?などなど様々な心配が生まれます。『MBAとるべきかとらざるべきか』さしずめシェークスピアのハムレットの心境です・・・。
そして、遂に職場の上司に相談してみることを決心します。それは報告ではなくあくまで相談という形で、やんわりと考えをお聞きするつもりでした。当時、私は横浜の支店に勤務して、支店長は山口さん(仮名)でした。山口さんは幹事会社の一社からの出向者で私の新入社員当時、直属の上司で私に営業のイロハを教えてくれた方で、それ以降も個人的にも親しくして頂いている方でした。横浜駅前にあった支店の隣にあった日本酒がウリの居酒屋で、「実はMBA留学というのを考えていまして、どう思われます?」と切り出しました。山口さんは少し考え込んだような様子を見せた後、諭すように返答してくれました。そして、それは私の予想に反する答えでした。続きは次回のコラムにて。To be continued. Stay Tuned…

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