ケースメソッドとはケース(事例/判例)を活用した教授法であり、現実社会で起こりうる課題に対して、リーダーがいかに振る舞うかを考えるプロフェッショナル・スクール(法学部・経営学部・医学部)では今や必須の手法となっています。このケースメソッドによる教育が世界で最初に行われたのはビジネススクールではなく「ハーバードロースクール」だった事はMBA豆知識です。
私の理解ではケースメソッドが初めて採用されたのはChristopher Columbus Langdell教授による講義でした。彼が残した有名な言葉は「法は学問である(Law as Science)」と言われています。時代・国が異なれば「白黒」が逆転することも珍しくない「法律」の世界で、あなたが仮に当時の当事者ならどう判断する?という問いを参加者に投げかける教育スタイルは当時とても注目を浴びたことでしょう。その後、経営学、医学、など実践的な教育を行う教育機関でケースが取り入れられ、今やビジネススクールでケースは不可欠の存在となっています。
- 1870年 ロースクールで採用
- 1920年 ビジネススクールで採用
- 1985年 メディカルスクールで採用
さて、こうしたケースを活用した教育をケースメソッドと呼ぶべきかそれともケーススタディと呼ぶべきか、少し悩ましい問いがあります(99.9%の方々は気にしないと思いますが...)。というのも、ケーススタディには受動的な意味があり、一方のケースメソッドには能動的な意味があるとする主張や、参加者視点で表現する場合は「ケーススタディ」、一方で教授視点で表現する場合は「ケースメソッド」という見方があり、さらには「ケーススタディメソッド」という言葉もあるようで、謎は深まります。
どちらにせよ「ケース」とはあくまで講義の参加者が議論するための共通情報であり、それ自身が何か知識を与えてくれるものではありません。重要なのはケースに登場する主人公になりきって、そこに描かれている意思決定課題に「自分ならこう判断/行動する」と追体験する過程で、身につくリーダーとしての「姿勢」ではないでしょうか。
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