税理士・公認会計士ネットワーク開催(2024年9月15日)
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名古屋商科大学ビジネススクールの修了生・在学生がメンバーとなっている税理士・公認会計士ネットワークの第11回勉強会が京都・妙心寺にて開催されました。 妙心寺は、かねてより厳重な会計制度に基づいた寺院経...
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ネットワーク活動レポート
Network Report
今回の事業承継ネットワークは、本学修了生の家業である酒造メーカーの事例を参加者の皆さまと考えていきました。2008年5代目社長が直面した、”事故米混入の可能性公表と商品回収”についてです。経営者としてこの事故米混入の対応は、どんな選択をしても経営危機を招き難しい問題です。参加者の皆さまはどのような意思決定をしたのでしょうか。2008年には、吉兆、赤福、フレッシュジュース、ミートホープなど様々な食品偽装があった時代でもあります。そんな時代背景の中、5代目社長は一刻も早い対応を求められていました。参加者の皆さんの多くは、「直ちに事故米混入の可能性を公表し商品を回収する」との回答でした。その理由は、利益や損失だけに目を向けるのではなく、企業のブランドや信頼などを最優先することで一時的な大損失をしたとしても、再興出来ると考えたからです。実際に、5代目社長も直ちに公表し回収したことで消費者から信頼を勝ち取り、一時1/10まで落ち込んだ売り上げが1/2まで回復できました。流石、MBAを学んでいる皆さんは利益追及だけでなく企業倫理や社会的信用の観点から、最も良い解決策を選択されていました。
しかし、この酒造メーカーは正しい判断により事故米混入事件後、売り上げは回復傾向に向かっていたにも関わらず、次なるリベート事件が待ち受けていました。その事件により消費者の信頼を裏切り、大打撃を受けました。事故米混入事件とリベート事件は全く別の問題のように思われますが、実は両事件は関連性が深くあったのではないでしょうか。事故米混入を他メーカーより、逸早く公表し回収したことで、社会的信用を保ち顧客を勝ち取ることに成功ました。しかし、従業員や小売店など関係者には大きな損失や影響を及ぼし、本当に最善の意思決定だったのでしょうか。その意思決定が関係者への反発を買い、第二の問題が露見し、顧客を失ってしまったと言った見方もあるようです。このように一見、誰もが正しいと思われた意思決定が、果たして本当に正しい選択だったのでしょうか。実例を元にした今回の勉強会では、参加者の皆さまが深く考えさせられる事例になった様子です。
ファミリー企業の方に限らず、名古屋商科大学ビジネススクールの修了生・在校生・教員で事業承継に関わる様々なことに関心のある方々が、皆が自社の経営課題として捉えて積極的な勉強会を行います。
栗本 博行 | 教員一覧 | 名商大ビジネススクール - 国際認証MBA
名商大ビジネススクール - 国際認証MBA
https://mba.nucba.ac.jp/faculty/kurimoto_hiroyuki.html