まずMBA取得を考えている方に対して一つだけ重要なメッセージがあります。それは取得の「難易度」についてです。
・安易に取得出来るMBAに価値はない
という事実。さて以下では、卒業に向けた難易度として成績(単位認定)のトピックを取り上げたいと思います。MBAを取得するためには、卒業単位を取得(学校によって異なりますが、30-40単位)し、卒業課題に合格する必要がありますので、今回は前者の単位取得にフォーカスします。
単位取得において重要なポイントは成績評価ポリシーとなります。成績評価ポリシーとは、以下の4点を指すことが多いのですが、講義によってポリシーがあまりに異なるビジネススクールは国際認証は取得できません。個人商店の集合体として運営するのであれば別ですが、本来ビジネススクールやMBAプログラムとしての人材育成目標があるはずで、その下で成績評価ポリシーが定められます。
・評価対象(出席、レポート、講義貢献、試験、など)
・評価割合
・成績基準(相対評価、絶対評価)
・進級基準
世界で最も有名なビジネススクールである某校においては、恐ろしいほど厳しい「進級基準」があり、2年次になれないケースが発生します。別のビジネススクールでも1年次と2年次のクラスの席数が違うので、その理由を担当者に伺った所、下位20%は退学処分にするからだそうです。ビジネススクール先進国、恐るべし。また成績基準に関しても、実社会が競争社会であることを踏まえて「相対」評価であることが多くなります。
・評価対象(レポート、講義貢献、試験)
・評価割合(レポート30%、講義貢献40%、試験30%)
・成績基準(相対評価)
・進級基準(下位一定割合は除籍)
また、多くの受験者が気にするのは「数学」のスキル。数学は最先端の金融工学を扱うためにも必要で、最低でも「確率微分方程式」が使えなければブラックショールズモデルが理解できないので卒業は難しい...というのは一部のファイナンスに特化した大学院の話。日本にはそんなビジネススクールは存在しないでしょう。
MBAプログラムはマネジメント能力を高める場であるため、数学的知識が求められることは少ないといえます。あえて必要なスキルは?と聞かれたら英語力かと思います。通常の講義で英語を使う場面はほとんどないですが、外国人教員によるグローバル科目(選択)はケースもディスカッションも全て英語になります。MBAの英語科目には交換留学生も多く参加してくるため、多様な視点によるケースディスカッションを通じて、ダイバーシティの高い環境で自分の考えを主張・交渉する訓練にもなりますので、在籍期間中の特典だと思って挑戦されることをお勧めします。
最後になりますが、ビジネスリーダーを育成するための経営学とは、学問的な体裁を整えるための数学や統計スキルより、経済学、哲学、心理学、社会学を総動員して取り組むことになります、これは、薬学、物理学、化学、生物学を横断的に扱う医学と似ており、学部時代の経歴はどの領域からでも挑戦可能です。
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