MBAの中でも一番有名なフレームワーク
マーケティングミックス
前回の稿《マーケティングプロセス》で、マーティングの一連の流れをマーティングプロセスとしてお話ししました。マーケティングミックスとはその中でお話した、4つの戦術(商品Product・価格Price・売り場Place・宣伝Promotion)の組み合わせのことを指しています。MBAの中でも一番有名なフレームワーク4Pです。
そもそもフレームワークとは?
その前に、フレームワークとは何かをお話しします。フレームワークは、事実をもれなく論理的に整理して、共有しながら論理的に結論を導くツールです。このフレーム(枠)に事実を書いてまとめていくと、論理的に結論が導けるので大変有用なツールです。MBAでは、このツールをまず身に付けて、ケースという場数をこなす事によって、いわば箸を使うみたいに習熟して使えるようになります。フレームワークはMBAの定番です。他にもMBAの定番があります。ただし、米国のアイビー・リーグのMBAの話ですが。。。スーツはBrooks Brothers、靴はJohnston& Murphy、カバンはHartmannです。形からMBAに入りたい人は是非。
アイビー・リーグ(英: Ivy League)とは、アメリカ合衆国北東部に所在する、世界屈指の名門私立大学ブラウン大学、コロンビア大学、コーネル大学、ダートマス大学、ハーバード大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学、イェール大学の8校からなる連盟を指す。
4つの戦術(商品Product・価格Price・売り場Place・宣伝Promotion)
本論の4Pに戻ります。マーケティングの打ち手はこの4Pに大体収まります。また、マーケティングを実行していくには、この4Pを組み合わせてプランを作ることになります。それぞれのPで大事なポイントがたくさんありますが、代表的なポイントをかいつまんで紹介します。
商品 Product
商品Productでは、プロダクトライフサイクルの理論が大事です。人間に誕生から成長して成熟して、最後は衰える寿命サイクルがあるように、商品にも必ず寿命サイクルがあるという理論です。その商品がそのサイクルのどの時点にあるかによって、マーケティングの目的が変化していきます。目的が変われば、当然手段であるマーケティングミックスは変化していきます。大事なことは、マーケティングは固定的に考えてはいけない。時事刻々打ち手を変化させないと、必ずその商品は売れなくなるという事実です。
価格 Price
価格は誰かが必ず価格をどこかで意図的に決定しているという事実が大事です。経済学では、価格は需要と供給のバランスで決まる、というのがお決まりの文句ですが、それはマーケティングにおいては嘘です。MBAで教えているマーケティングにおいては、誰かが価格決定権を持っていて、戦略的に価格を決めているという前提に立ちます。だから、この決定権を持つプライスリーダーになることが、マーケティングの戦略上はとても大事な目標になります。プライスリーダーで有名なのが孫正義社長です。Yahoo!BBでの無料のモデム配布、携帯電話でのホワイトプラン、後発ながら市場をこの価格で席巻して成功しました。
売り場 Place
売り場Placeの理論と実践は、マーケティングミックスの中で一番難易度が高いです。一口にPlaceといっても、卸があり、小売があり、さらにネット販売あり、といった感じで多くのプレーヤーが商品供給者と最終消費者の間に介在するからです。このプレーヤーたちは、商品供給者とギブアンドテイクではありますが、己の利害で行動します。家電量販店をみてください。商品供給者に比べてとても大きな力を持っていて、家電メーカーを選別しています。価格も実質決めています。家電メーカーのPlaceに関するマーケティングはどんなにプランを立てても、自分の思い通りにいかない現実がみえます。
宣伝 Promotion
最後に、宣伝Promotionです。この難しさは、結構専門性が必要とされるという点です。日本で言えば、電通と博報堂の世界です。自前でPromotionしている会社はありますが、なんらかの形で広告代理店にアウトソースしています。商品供給者から見れば、相手はプロですから頼り甲斐はあります。ですが、相手も商売ですから多額の予算を要求してきます。例えばテレビ広告は、とても高いです。でも、提案されたらとても魅力的です。あなただったら乗りますか?断りますか?