長かった連載も今回で最後です。今までお話しした内容をまとめつつ、終わりたいと思います。
MBAで教えている拝金主義がリーマンショックを引き起こした。
MBAの頭でっかちの人間は会社では使えない。
MBAの連中は血も涙も無い冷徹な経営者ばかりだ。
多くの批判があります。本来個々人の責任に帰せられるべき批判が、十羽一絡げにMBAに矛先が向けられるのは乱暴ですが、それだけMBAがメジャーであり、世の中に良くも悪くも影響している証左と思います。まあ、それは言わしておけばそれで済む問題ですので、反論しようとは思いません。
MBAの価値とは
一言で言えば、MBAの価値は「経験」です。MBAの価値は「資格」ではありません。「知識」でもありません。このMBAで学んでいる最中に積み上げる「経験」です。この2年間でケース討議・仲間との交流・自分を限界まで追い込んだ勉学、全ては極めて濃縮された経験です。2年間で200ケースを学ぶとして、200回の転職経験を積んだのと同じです。人生の勉強時間の半分以上はこの2年間で占めていると思います。この経験機会に対して多額の学費を自己投資しています。経験を積めば成長します。その成長をお金で買っていると思ってください。じゃリターンは何か?
8つあります。
・リターン1_経験
経験を積めば、自分を高められます。自分に自信が持てます。
・リターン2_自信
自信を持った人間には、周りの人が魅力を感じます
・リターン3_魅力
魅力ある人間は、社内で仕事を任せてもらえます。顧客から大事にされます。
・リターン4_仕事機会
仕事の機会が増えれば、ますます成長できます。
・リターン5_成長
成長したら、自分の市場価値が上がります。
・リターン6_市場価値
市場価値が上がれば、給料が上がります。転職もできます
・リターン7_お金
お金があれば、人生さらにチャレンジできます。夢を追えます。完全燃焼した人生が送れます。
・リターン8_完全燃焼
人生のスタートラインへ
この良きスパイラルのスタートラインがMBAです。
MBAはゴールではありません。
MBAで人生再スタートしたのが35歳。それから27年間。決して良いことばかりではありませんでした。でも、MBAの経験のおかげで、面白楽しく生きて来られました。多くの尊敬できる人々に出会えました。社長として社員を裏切ったことがありました。でも、自分のベストは尽くせたと思います。自分の人生に悔いを残さないで生きて来られました。これからもそう生きたいと思います。MBAに感謝しながら。
ありがとうございました。
長沢 雄次