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マーケティングで教えていること

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栗本先生連載では、MBAに関してその概念を理解してもらうことを目的に書かれていました。私の連載では、MBAを内部から書いていきます。具体的には、学ぶ学生から見たMBA、教える講師から見たMBAを、実際の経験をベースに書いていこうと思います。

MBAの定番科目であるマーケティング

マーケティングはMBAの科目で一番人気がある科目です。クラス討議をしていても一番手が挙がり議論も白熱します。なぜかといえば、学生が普段身近に使っている商品をテーマにしたり、自由な発想での発言が許されるからです。ですので、MBAに入学して最初の科目の定番はマーケティングです。飲み屋で「とりあえず生!」って感じです。この科目を通じて学生はケース討議に習熟していきます。

MBAの科目は、いわゆる経営学を細分化して構成されています。哲学とか科学とかの学問は古くは紀元前から存在していますが、経営学はざっくりいえば、この100年位の歴史しかありません。ですので、学問としてはまだ小学生段階です。立派な理論はもちろんあります。でも、それは過去の成功事例を集大成したものに過ぎません。理論さえ学べば、未来の成功を保証されている訳でなく、むしろ理論を破った企業、新しい理論を作ってしまった企業の方が大きく成功しています。アップル然り、グーグル然りです。

マーケティングは学問としてまだまだ若いという意味でその際たる学問です。理論やフレームワークは基礎知識として必要です。でもそれを理解して、使い回せたとしても、マーケティングを学んだことにはなりません。それは、過去の成功の類型でしかないからです。講師は、未来の不確定な状況に、学生が対応できる能力を養成できなければ講師の資格はありません。

では、講師は何を教えているのか?

教えているのは、マーケティングの思想と思考方法です。マーケティングとは、一言で定義してしまえば:
顧客視点に立って、顧客満足度を追及して、継続的に儲ける仕組みと作ることです。この思想と思考方法を、ケースに書かれている企業・商品を題材に繰り返し、繰り返し、学生に体験として叩き込んでいます。定義だけ聞けば当たり前だ、と思われるかも知れませんが、おっとどっこいこれは難易度が高いです、特に、社会人になって会社の垢が染み付いたMBA学生にとっては。また、人間も会社も悲しいかな自己中心的です。ですので、頭でこのマーケティング思考を理解しても、自分の会社のビジネスで実行するには習熟が必要です。ケースメソッドという方法で、経験を積み重ねることによって思考の実際を身につけていきます。逆に、この思想・思考方法さえ身につければ、理論を超えた成功を望める人材になることができます。
マーケティングで教えていることの詳細は後日の連載に譲り、次回はこの稿でも触れたケースメソッドに関して、掘り下げてお話します。


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